

海のような圧倒的スケール感の、日本一大きい湖・びわ湖。その北部にある滋賀県長浜市と米原市からなる湖北エリアは、自然の奥深さにふれ、非日常の時間を過ごすのにぴったりです。
湖北エリアには、日本百名山の一つ「伊吹山」がそびえ、びわ湖に遊ぶ水鳥を観察したり、ノスタルジックな宿場町を散策するのも人気。またグルメな大人が満足する美食の宝庫でもあります。
今回は「JTB旅館ホテル連盟びわ湖支部」プロデュースによるデジタル散策マップ「ココクマーク」を使って、湖北エリアを2泊3日で旅してきました。ちょっぴりディープなリフレッシュ旅の様子を、たっぷりとお楽しみください。



滋賀県内の「見る」「遊ぶ」「泊まる」情報を掲載している「ココクマーク」。宝物を探すように、お気に入りのスポットを見つけて、街歩きを楽しめます。
使い方はとっても簡単。アプリインストールは不要。ココクマークのページにアクセスするだけでオリジナルのデジタルイラストマップに入れます。リストから行きたい場所を選び、クリックするだけで、位置情報やおすすめメニューなどスポットの詳細を教えてくれます。
さらに、クリック1つで、グーグルマップに切り替わるのも嬉しいポイント。「方向音痴だから、目的地にたどり着ける自信がない」「自分で検索して情報を集めるのが大変……」そんなときに大助かりです。
ココクマークをお供に散策すれば、湖北エリアの旅がもっと楽しくなること間違いなしです!
ココクマーク・湖北エリア
https://stroly.com/viewer/1679465080?landmark=143684



湖北エリアは、琵琶湖を始めとした美しい水風景に出会える場所。清涼感いっぱいのスポットは、暑い日に涼を感じさせてくれるだけでなく、乾いた心さえも潤してくれます。
最初に向かったのは、そんな滋賀を代表する名水スポット。米原市にある、旧中山道の宿場町として栄えた「醒井宿(さめがいじゅく)」です。この町を流れる地蔵川の水源地「居醒井の清水」は、水質の良さや周辺環境の美しさから、環境省の「平成の名水百選」にも選ばれました。
地蔵川沿いの水風景を楽しみながら、てくてくお散歩。見事に透き通った川を眺めていると、自然とひとつになったような一体感を感じられます。

毎年5月中旬~9月下旬の間、地蔵川には、白くて可愛らしい水中花「梅花藻(ばいかも)」が花を咲かせます。筆者が訪れたのは、9月中旬。澄み切った水に緑の水草がゆらゆら揺れ、その中にポツリポツリと白いお花が散りばめられていました。
この日は水量が多くて、水の中に梅花藻がゆらゆら。上から見ると太陽の光にあたって、水面がキラキラ。涼し気なお花たちに癒やされました。ちなみに、梅花藻の花言葉は「幸せになります」。見ているだけでハッピーになれそうですよね。

街道の中腹あがりにある湧水スポット「十王水」は、平安時代中期、天台宗の僧侶によって開かれた「十王堂」が近くにあったことから、「十王水」と名付けられました。こんな風に、街道沿いには古くから言い伝えが残る場所が点在しています。伝説や伝承に思いをはせながら、名水散歩ができるのも「醒ヶ井宿」だからこそ。
醒井宿(公益社団法人長浜観光協会)
https://kitabiwako.jp/spot/spot_206



「醒ヶ井宿」から車を走らせ、米原市伊吹にある「蕎麦の里 伊吹」へ。ここは、2020年4月、伊吹山の麓にオープンした伊吹そばのお店。県外からもそば好きが集まる人気店です。
あまり知られていませんが、伊吹そばの歴史は古く、始まりは今から約1300年の鎌倉時代から。諸説ありますが、蕎麦とその名脇役・辛味大根が日本で初めて作られたのが、ここ伊吹だと言われています。
伊吹そばは、2019年に国の「地理的表示GI保護制度」にも登録され、伝統の味に信頼が加わりました。滋賀県では、あの近江牛についで、2例目。そんな"ここにしかない"お蕎麦がどんな味なのか、気になりますよね!

店長の伊富貴(いぶき)良市さんが作るのは、石臼挽きの二八そば。曜日によって、「挽きぐるみ(玄そばのまま挽いた黒みがかったそば)」と「丸抜き(抜き実を挽いた白みがかったそば)」、2種類のおそばを提供しています。
筆者が訪れたのは、水曜日だったので「挽きぐるみ」の日。黒い粒々が混ざるお蕎麦をズズッ~っと勢いよく口に運ぶと、ワイルドなコシと歯ごたえに、思わず「おいしい!」と言ってしまうほど。のど越しもよく、在来種ならではのリッチなお蕎麦の香りも楽しめました。

この日は、近江米のおにぎり、自家製の蕎麦味噌や蕎麦豆腐、手づくりのお惣菜などをワンプレートに盛り付けた「伊吹セット」もセレクト。お腹も心も満たしてくれるおいしいセットに、大満足です。こんなおいしいお店が、近くにあったら良いのに……!



続いて、ひんやりおいしいジェラートを味わうため、「ミルクファーム伊吹」へやってきました。お店があるのは、道の駅「いぶきの里旬彩の森」内。タイミングが合えば、ガラス越しに、地元・伊吹牛乳の製造工程も見学できます。

店内には、伊吹牛乳を使った商品がずらり。昭和レトロなパッケージも可愛くて、滋賀のお土産にもぴったりです。

お店の自慢は、伊吹牛乳を使って作られる特性ジェラート!定番から季節限定のものまで、常時10種類以上のラインナップを取り揃えています。
一番人気は、シンプルに伊吹牛乳を味わえるバニラ。ねっとり濃厚な甘さだけど、後味はスッキリ。バニラビーンズの香りとミルキーなコクがたまりません。
ミルクファーム伊吹
https://milk-farm.jp/



湖北エリアには、まだまだ外せないスイーツの名店があります。「二葉屋」は長浜市で50年以上続く西川食品が営む八百屋さん。近年は、とあるメニューがSNSで大きな話題になっています。

それが、こちらの旬のフルーツを使ったスイーツたち。看板メニューの特性フルーツサンドは、種類豊富で裏側まで完熟フルーツがぎっしり。フルーツサンドの他に、ソフトクリームやかき氷も、これでもか!というほど盛り付けられています。
人気のソフトクリームは、フルーツの存在感が大きすぎて、もはやパフェ状態。かき氷も氷が見えほどフルーツを豪快に盛り付けられており、スペシャル感満載です。
二葉屋(株式会社 西川食品)
https://nishikawasyokuhin.com



今夜のお宿は、長浜城や黒壁スクエアのすぐ近く。100年以上の歴史を持つ老舗温泉料亭旅館「浜湖月」です。こちらは、長浜城の城主になった太閤・秀吉公が、男の子が生まれたことから名付けられた「長浜太閤温泉」を引くお宿。2016年にリニューアルオープンし、すべてのお部屋で温泉露天風呂を楽しめるようになりました。
玄関先から一歩上がった先は、フロント・通路・客室まで、すべて市松模様の畳敷き。ふかふかの畳だから、足に心地良い!どこにいても、足元から癒しを感じられます。

客室は全部で8部屋。今回は3Fにある12畳の和室に和ベッドを備えたお部屋に泊まりました。ゆとりある広さのお部屋は、のんびりとくつろぐのに最適です。

この宿に泊まったら、お部屋の露天風呂に入るのが大きな楽しみ。秀吉公が愛した歴史ある名湯を、完全プライベートな空間で独り占めできます。
泉質は、鉄分を多く含む「含鉄泉」。体の芯までよく温まり、ホルモンのバランスを整えてくれる女性に嬉しい湯。ざぶんと浸かると、柔らかなお湯が優しく包み込んでくれるようで、あっという間にぽかぽかになります。

お風呂上がりのお楽しみは、冷蔵庫の冷えたフルーツとビール。「浜湖月」では、ウエルカムフルーツとして、通年ミカンとカットりんごを提供しています。
筆者が訪れた日は、ちょうど地元のぶどうのシーズン。冷蔵庫には、ミカンと一緒に長浜市南浜町産のぶどうが入っていました。たまらずぶどうを頬張ると、皮がはじけて甘みたっぷりの果汁がじゅわっ~と口の中で広がります!1粒食べたら、ぱくぱく…と手が止まらないおいしさでした。

お楽しみの夕食タイム。夕食は、和会席料理と鉄板焼きの2種類がありますが、今回はライブ感を楽しめる鉄板焼きの「認証近江牛会席料理」をいただきました。鉄板焼きを統括するのは、フランス料理店と鉄板焼き店の両方で腕を磨いた坂本さん。
焼き台の上には、この日焼かれる「認証近江牛会席料理」の食材がずらり!近江牛の中でも質の良い近江牛だけに与えられる「認定書」まで飾られています。早く食べたい気持ちが高ったところで、いよいよ夢の宴がスタート。

最初に、近江牛のみすじを軽く炙った、美しき握りが登場。お肉の上には、清涼感のある青唐辛子の佃煮がのっています。さっそく口に運ぶと、みすじならではのジューシーな肉汁の開放感にうっとり。

その後も、新発想、新感覚のメニューが続々と出てきて驚き!中でも驚いたのが、琵琶湖の宝石と称される「ビワマス」と季節野菜を盛り付けた、華やかな一品です。
大皿の上には、まるでマスが泳いでいるように盛り付けられており、楽しげな雰囲気いっぱい。3色のソースを混ぜながら、お野菜やお魚に付けていただきます。琵琶湖のビワマスは臭みが一切なく、脂がのっているのに、決してくどくありません。ソースやお野菜たちが、ビワマスのおいしさを引き立てます。

認証近江牛を焼いて、蒸して、炙って。いろいろな方法で楽しめるのも、この会席コースの嬉しいポイント。高級食材のオンパレードで、満足度のバロメーターが時間の経過とともにぐんぐん上がっていきます。
中盤に差し掛かると、近江牛と国産松茸を耐熱フィルムで包み込んだ一品がお目見え。味がおいしのはもちろんのこと、香りまでおいしい!

この日のメインは、認証近江牛のサーロインとフィレ肉の食べ比べ。分厚くカットされたお肉は、気品を兼ね備え、最高峰という言葉がぴったりです。そんな贅沢なお肉たちをフランベすると、一気に炎が!
歯が要らないほど柔らかなフィレと、味わい深いサーロインをどちらも楽しめるなんて、贅沢すぎます……。幸せな口福感をどっぷり味わいました。

おいしい満腹感を抱えたまま夢の中へ。翌朝はちょっぴり早起きして、絶景が自慢の大浴場へ向かいます。この日はお天気が良く、目の前には琵琶湖の絶景が!湖面がキラキラと輝いて、リゾート気分が高まります。

さっぱりとしたところで、朝ごはんをいただきにお食事会場へ。さすが、温泉料亭旅館!朝ごはんも、夕食並みに充実したラインナップです。和食膳ですが、ご飯を中華粥に変更してもらえるのも「浜湖月」ならでは。
テーブルの上で、湯豆腐とベーコンエッグを温めながら、鯉のお刺身や赤こんにゃくに舌鼓。朝から近江の味をしっかり楽しみ、パワーチャージ完了です。
長浜太閤温泉 浜湖月
https://hamakogetsu.co.jp



さて、2日目最初の目的地は、「浜湖月」から歩いて5分の「長浜城」です。青空に向かってそびえる天守閣が見事!このお城は、秀吉公がまだ羽柴秀吉だったころに築城され、その後大名となったことから「出世城」としても知られています。今は復元された天守閣ですが、秀吉公や長浜の歴史を知るのにもってこい!

天守の最上階は、展望台の役割も。お天気が良ければ、琵琶湖の先に、竹生島や合戦の地・賤ヶ岳なども見渡せます。ここから眺められる雄大な景色は圧巻。ずっと眺めていると、日々のストレスもす~っと溶けていくよう。



続いて車を走らせ、長浜市国友町へ向かいます。国友は、戦国時代から江戸時代まで、火縄銃の産地として栄えました。そんな国友の鉄砲について詳しく学べるのが「国友鉄砲ミュージアム」です。入館料は300円とリーズナブルながら、約40挺もの実物の火縄銃が展示されていて見応えたっぷり。
入館料を払ったら、まずは映像シアタールームへ。ここでは、国友鉄砲の歴史をアニメーションを交えながら、とても分かりやすく紹介してくれます。

2Fの展示室へ行くと、ずらっと銃が展示されています。これがすべて実物だと思うと、すごいですよね。館長の川上さんの話によると、長篠の戦いで使われた3,000挺の銃のうち、500挺は信長から受注を受けた国友鉄砲が使われたのだとか。
さらに2Fには、実物の火縄銃を手にすることができるコーナーがあるので必見です。実際に持ってみると、「こんなにも重いのか……!」とびっくり。

個人的に興味深かったのが、江戸時代の鉄砲鍛冶師・国友一貫斎(くにともいっかんさい)にまつわるコーナー。国友一貫斎は、鉄砲に限らずさまざまな道具を開発したのですが、その一つが、反射望遠鏡の制作。なんと55歳から反射望遠鏡の研究をはじめて、翌年には日本で初めて反射望遠鏡を完成させたのだとか!
すでに江戸時代から、この自作の反射望遠鏡を使って天体観測を行っていた記録も「国友鉄砲ミュージアム」に残されています。実際に国友一貫斎が作った反射望遠鏡(複製品)も展示されているので、鉄砲と合わせてぜひチェックしてくださいね。
国友鉄砲ミュージアム
https://kunitomo-teppo.jp



ランチに伺ったのは、県外からもたくさんの人が訪れる人気店「びわこ食堂」です。建物は、昭和レトロな三角屋根の1軒屋。店内は懐かしい雰囲気であふれ、訪れる度に愛着がわきそうです。

名物の「とりやさい鍋」は、白菜がてんこ盛り!お肉の種類は決まっておらず、豚肉、鶏肉、牛肉、ホルモンの中から、好きなものを選べます。
材料は、基本的にお肉と白菜、お出汁だけ。シンプルですが、10分ほどグツグツ煮込むと、お味噌やにんにくの香りが広がり、食欲がそそられまくり!匂いだけでご飯がガンガン食べられそうです。

「とりやさい鍋」は思ったよりも、濃いめの味付け。トウガラシのピリリとした辛さも相まって、「ビールくださーい!」と言いたくなります。
あれだけボリューム満点だった白菜も、煮込んでいくとトロトロになっていき、量がジャストサイズに。鶏肉と白菜のうま味を吸ったスープが抜群においしくて、ペロッと食べられます。



ランチの後は、「びわ湖食堂」から車で5分の場所にある「渡岸寺観音堂」へ向かいます。こちらは、仏像ファンに絶大な人気を誇るお寺。創建はとても古く、今から約1400年前に建てられたと言われています。

境内は緑が多くて、癒し効果満載。歩いているだけで、日々の疲れや心が和らぎます。そして本堂左手にあるのが、国宝「十一面観音様」が安置されている観音堂。有名な仏像といえば、奈良や京都を思い浮かべる人がほとんどかと思いますが、この「十一面観音様」は、仏像好きにとってはたまらない存在です。
多くの仏像ファンを魅了する理由は、頭上に11の顔を持つ観音様のお顔を、ぐるっと後ろまで拝観できるから!後頭部にある「暴悪大笑面」は、なぜか大爆笑。優美な姿とのギャップに驚きます。



2日目のお宿は、夕陽がきれいな奥びわ湖の湖畔に佇む「旅館 紅鮎」。こちらのお宿は全室半露天付き。ゆったりと温泉に入って癒されたい人におすすめの旅館です。
館内に入ってすぐのラウンジには、ほっこり落ち着く囲炉裏がお出迎え。そして、囲炉裏の奥には、立派な望遠鏡が並んでいます。実は宿の周りは野鳥の飛来地。ラウンジでくつろぎながら、湖上に遊ぶ水鳥たちを眺められます。

チェックインの手続きを済ませたら、客室へ向かいます。この日のお部屋は、2018年4月できた限定1室の「特別室」。お部屋の広さは、お宿最大となる55平米!びわ湖を眺めつつ、のんびりと過ごせます。
ちなみに「紅鮎」は旅館では珍しい、全室マッサージチェア付き。いつでも好きなときに、マッサージチェアで体をほぐせるのも、このお宿ならでは。

特別室には、体にジャストフィットするビーズクッションの「Yogibo(ヨギボー)」が置かれたくつろぎスペースも。お尻から座ると、背中から包み込まれるような心地よさが半端ありません。一度体を預ける、起き上がれなくなるぐらい快適です。

「紅鮎」に来たら、露天風呂に浸かりながら、琵琶湖を眺めるのが至福のとき。蛇口をひねると冷たい源泉がそのまま注がれて、ヒノキの湯船内で加温されます。温泉をいつでも追加できるなんて、温泉好きにとって最高の贅沢!日が落ちるに従い、色を移す琵琶湖を眺めながら、ゆっくりと贅沢な湯浴みを楽しみました。

夕日に染まる琵琶湖を眺めながら過ごす時間は格別。テラスで過ごす穏やかな時間は、心に優しさと安らぎをくれます。

夕食は、部屋食「近江牛づくし」プラン。時間になると、スタッフの方が部屋にきて、セッティングをしてくれます。部屋から一歩も出ず、まったりお食事を楽しめるから、マイペースにくつろぎたい"おこもりステイ"にぴったり。

「近江牛づくし」プランは、近江牛豆乳しゃぶしゃぶ、近江牛の炙り握り、近江牛のステーキ、近江牛のコールドビーフと、とにかく近江牛づくし!自分へのご褒美として最高に贅沢な夕食を楽しめます。

筆者が感動したのが、この近江牛の炙り握り。口に入れた瞬間から、上品で甘い脂がじんわりと溶けていき、何個でも食べられそうなおいしさです。

そして〆に出されるのは、お味噌汁……ではなく、近江牛のビーフシチュー。ホロホロと崩れるお肉と近江米のハーモニーがたまりません。これを食べるためにまた泊まりたい!そう思える、プレミアムな味わいでした。

いつもお宿に泊まると、お腹いっぱいの罪悪感にかられますよね。しかし「紅鮎」は、そんな心配はいりません。館内に、滋賀県産の「長命石」を暖めた岩盤浴(一人800円)を併設。2名利用できるので、カップルや友だち同士でデトックスできます。

お待ちかねの朝ごはん!テーブルの上には、びわ湖のしじみのお味噌汁に、近江米のごはん、ほかほか温野菜、滋賀の郷土料理・赤こんにゃく、手づくり豆腐など、体に優しいメニューが並びます。
お部屋で幸せな朝食を食べ終えたら、再び露天風呂へざぶん。体を目覚めさせたら、3日目の旅へいざ出発!
尾上温泉 旅館紅鮎
https://www.beniayu.com



やってきたのは、「旅館 紅鮎」から車で5分の場所にある「湖北野鳥センター」。ここは、びわ湖に集まる水鳥たちを楽しめるディープなスポット。入場料200円で再入場も可能です。
館内に入ると望遠鏡がズラッと並び、水鳥に焦点が合うようにセッティングされています。水鳥豊かな奥びわ湖だから、いろんな鳥を眺められて楽しい!

親切なスタッフさんにガイドしてもらえるので、野鳥に関する知識ゼロでも大丈夫。こんな風に望遠鏡を通して、スマホで撮影もできます!

館内には、様々な野鳥の剥製もたくさん。とにかく野鳥愛があふれ、全国から鳥好きが集まるのも納得です。
聞けば、すぐ近くの山本山に「国の天然記念物」に指定されている、たった1羽のオオワシが毎年ロシアからやってくるのだとか。「山本山のおばあちゃん」の呼び名で親しまれるこのオオワシは、現在推定30歳以上。今年も琵琶湖へやってくることを願っています!
湖北野鳥センター
http://www.biwa.ne.jp/~nio/



お次は長浜屈指の絶景を楽しむため、「賤ヶ岳リフト」に乗り、山頂を目指します。この地は、かつて羽柴秀吉と柴田勝家が合戦を行った賤ヶ岳。今は、静けさと癒しを手軽に楽しめる絶景スポットとして人気を集めています。

リフトを降りたら、ゆるやかな山道をハイキングしつつ山頂を目指します。頂上は開けていて広い!絶景を眺められるようにベンチも置かれています。視界の先には、はるか先まで広がる琵琶湖や余呉湖、竹生島まで一望できます。

頂上は空気がきれいでおいしい。清々しい山の空気をいっぱい吸いこんで、深呼吸すれば、体の隅々までリフレッシュできるよう!



たくさん動いたので、お腹もぺこぺこに。ランチをいただきに、鯖寿司で有名な「さんとく三太郎 本店」へやってきました。
こちらのお店は、2017年4月に、店内の一部を改装。おしゃれな空間で、サバを使った軽食を楽しめる、ートインスペース併設のモダンな店舗へと生まれ変わりました。

本店限定のメニューから、筆者が選んだのは鯖カレー。一番脂がのった時期に収穫した大ぶりの国産鯖だけを使っているから、脂のりはバツグン。ココナッツミルクのマイルドな甘さがスパイシーなカレーに溶け込み、一口で虜になるおいしさ!

もちろん三太郎名物の鯖寿司も購入して、イートインスペースで食べられます。三太郎が作る鯖寿司は、厳選した国産の鯖オンリー。肉厚で脂がたっぷりのっていて、食べごたえがあります。
香ばしく焼き上げた「焼き鯖寿司」と、真鯖を酢でしめてうま味を引き出した「鯖寿司」。同じ鯖でもまったく違う味わいを楽しめます。お好みで、選んでくださいね。
さんとく三太郎 本店
https://www.santoku-santaro.com/



続いてやってきたのは、北国街道の宿場町として栄えた「木之本宿」。通りには江戸時代から続くお店が今も残り、当時の情景を忍ばせています。
最初に訪れたのは、国の登録有形文化財にも指定されている、重厚な銀行建築の「きのもと交遊館」。裏手にある駐車場は、町歩き用に無料開放されています。

こちらの「白木屋醤油店」は、江戸時代から暖簾を掲げる老舗のお醤油屋さん。中に入った瞬間、お醤油の香りに包まれ、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。

歴史ある老舗といえば、あの魯山人も愛した日本酒「七本槍」で知られる「冨田酒造」は外せません。ここは日本酒好きなら、1度は足を運びたい名店です。

店先にレトロな看板が連なる「本陣薬局」は、木之本宿の旧本陣。江戸時代、お殿様や幕府の役人などが泊まった場所です。フォトジェニックな看板は、100年以上も前のもの。それが、こんなにも綺麗に残っていることに驚きです!



木之本宿の一角。1951年創業の「つるやパン」は、地元で半世紀以上に愛され続ける、町のパン屋さん。観光客だけに限らず、地元のお客さんがひっきりなしに訪れます。

パン屋さんだから、店内に置かれているのは、パンだけ!?……と思いきや、店内にはお菓子やジュース、挽きたてのコーヒーが飲めるマシンまで置かれており、とっても便利。

黄色のパッケージに緑色の文字が目を引く「サラダパン」は、滋賀県民なら知らない人はいないソウルフード。気になる中身は、ポテトサラダ?ツナマヨ?いえいえ、実は刻んだたくあんをマヨネーズで和えたもの!
初代の西村智恵子さんが、当時高級食材だったマヨネーズを使った"水が出ない腹持ちが良いパン"を開発。刻んだたくあんを入れた、ハイカラな初代サラダパンを生み出しました。
こうして生まれたサラダパンは、味も姿も変えず、今もほとんど当時のまま。テレビ番組に取り上げられたり、SNSで話題を集め、滋賀県のソウルフードとして全国的に有名になりました。
食べてみると、たくあんのコリコリッとしておいしい!不思議とくせになる味わいです。

店内ではサラダパンの他に、Tシャツやキーホルダーなどオリジナルグッズも多数販売。滋賀のお土産にもぴったりです。
ちなみに、このキーホルダー、超絶可愛くないですか?
表面だけでなく、裏面まで細部に再現されているから、手に取った瞬間メロメロに。今も大切に使っています!
湖北エリアは奥深い自然や美しい水景色、知る人ぞ知る美食に出会える穴場のスポット。喧騒から離れて、心と体をリフレッシュしたいとき、ぜひ旅先の候補に加えてみてはいかがでしょうか?