埼玉県八潮市ではオーストラリアへの海外派遣事業を行っており、市内の中学校5校から生徒が参加しました。八潮市教育委員会では、これまで市職員や先生が「参加者は異文化理解力やコミュニケーション力が向上し、自信を持てた」等、感覚的に捉えていた生徒たちの成長を具体的な数値データとして可視化し、成果と改善点を示すことを目的として、J's GROWを導入しました。本事例では、海外派遣事業におけるJ's GROWの効果的な活用方法と、そこから得られた成果について詳しくご紹介します。


- 事業実施目的
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- 国際社会で活躍できる人材を育成すること
- 周囲への影響力を持つ人を育てること
- 事業実施内容
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対象生徒
八潮市内の公立中学校に通う2、3年生 18名
- 研修実施内容
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- 派遣期間
- 2024年7月20日~25日(6日間)
- 訪問都市
- ケアンズ(オーストラリア)
- 主な活動内容
- 現地学校交流、ホームステイ、観光地訪問
- J’s GROW測定アクティビティ
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- ホームステイ
- 事前学習・準備
- 現地校交流・現地プログラム
- 帰国報告会準備(資料作成)
- 帰国報告会(発表)
(イメージ) (イメージ) J’s GROWは、事前・事後アンケート及び2回以上のコンピテンシー測定を行い、教育活動の効果測定を行います。
- J’s GROW測定結果
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今回の海外派遣事業では、事業実施目的の達成に向け、研修を通じ、国際的な視野やコミュニケーション能力、リーダーシップ、異文化理解などを育むことを意識していました。今回の測定では、上記に関わるコンピテンシーの伸長に注目して分析をしました。
測定の結果、ホームステイが生徒の意識変容に最も大きく影響を与えたことが分かりました。その理由として、ホームステイは異なる文化圏の家庭に身を置き、生活習慣や価値観の違いに直面する体験が、生徒たちの様々な意識変容を促したと考えられます。
派遣前後の参加生徒のコンピテンシーを比較すると、「柔軟性」と「影響力の行使」の2つの行動変容が確認できました。ホームステイや現地校交流を通して、異なる文化や価値観を持つ他者とコミュニケーションを取ることで、状況に合わせて柔軟に対応することや、自分の意見を伝えるだけでなく、相手の意見を尊重し、合意形成を図ることの重要性を学んだ結果だと考えられます。
ホームステイの様子は、引率者も逐一確認が出来ないため、ホームステイの価値が根拠ある数値で示されたことも市職員や先生にとって有益情報となりました。
- おすすめポイント
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J's GROWは、自治体や教育委員会が主導する委託事業の効果検証として活用頂くことで、効果を可視化し、今後の改善に繋げ、事業の価値をより高めることができます。また、地域全体で学びの質を向上させ、地域の魅力を高める施策としても有効です。
- 導入効果・教育委員会職員の感想
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今年度で第31回を迎える海外派遣事業について、教育的にどのような効果が得られるかを測定するために、効果測定システムを実施いたしました。
これまでに海外派遣事業に参加した生徒は様々な面で成長が見られましたが、今回の導入結果により、それが数値としても表れるようになりました。今後は、これらの結果を基に、事業のさらなる改善を図ってまいります。

八潮市教育委員会の皆様より、海外派遣事業を継続していくにあたり以下のようなご意見を頂き、J's GROWをご採用頂きました。
・この事業が派遣団の中学生にどれだけの影響(効果)を与えているのか知りたい
・現状に満足せずプログラム内容のブラッシュアップをしたい
・しっかりデータを財産として残していきたい
測定結果からも事業効果の可視化ができ、営業担当者としても感覚ではなく、根拠を元に様々なご提案ができるようになりました。今後も活用していきたいです。