ビジネスジェットとは、定期便とは異なり、利用者の要望に合わせて航行するジェット機のことです。プライベートジェットとも呼ばれており、機材を所有するだけでなく、チャーターで利用することもできます。この記事では、日本における活用状況や定期便との違い、さらに、ビジネスジェットの種類や利用時の注意点についても紹介します。ぜひご覧ください。

ビジネスジェット(プライベートジェット)とは?
ビジネスジェットとは、利用者の要望に合わせて航行するジェット機のことで、プライベートジェットとも呼ばれます。その最大の特徴は、利用者がチャーターによる貸切利用でスケジュールや渡航先を自由に設定できることです。時間を有効に活用できるだけでなく、高いレベルでのプライバシーも確保できます。
このように、ビジネスジェットは時間とプライバシーを重視する経営者や企業にとって、有効な移動手段となっており、欧米中心にビジネスシーンでの利用も少なくありません。
日本におけるビジネスジェット(プライベートジェット)の利用状況と活用例
日本では、現在ビジネスジェットの利用拡大に向けた動きが進んでいます。国土交通省をはじめとする政府の施策により、利用制限の一部が緩和されるなど、環境が整いつつあります。例えば、2023年6月1日に施行された航空法の改正により、特定の条件を満たした有償運送や離着陸の申請期限が緩和されました。
こうした流れを受け、ビジネスジェットを所有する企業が増えつつあり、その利用ニーズも高まっています。
参考:観光目的の外国籍ビジネスジェットの運航許可に関する申請期限短縮について | 国土交通省
参考:日本におけるビジネスジェットの発着回数推移 | 国土交通省
ビジネスジェットの活用例として、以下のようなケースが挙げられます。
グローバル戦略会議
- 内容
- 複数国の拠点責任者が一堂に会する年次戦略会議
世界中の拠点から幹部を集め、1日で効率的に会議を実施 - 対象者
- 各国のCEO、CFO、COOなどの経営幹部
ハイエンド顧客向け製品発表会
- 内容
- 新製品のプライベートショーケース
複数の主要都市を1日で巡回し、少人数制の高級感あふれる発表会を実施 - 対象者
- VIP顧客、大口取引先、影響力のある業界リーダー
エグゼクティブ育成プログラム
- 内容
- 次世代リーダー向けの集中研修
1週間で複数の国際拠点を訪問し、現地でのケーススタディと実践的な学習を提供 - 対象者
- 将来の経営幹部候補
トップセールス表彰旅行
- 内容
- 高業績達成者向けのインセンティブ旅行
- 対象者
- 年間売上トップの営業担当者とその家族

ビジネスジェット(プライベートジェット)と定期便の違い
ビジネスジェットと定期便には、その設定や扱い等に違いがあります。以下は、主な違いとビジネスジェットが持つ優位点について紹介します。
搭乗手続きや移動全体にかかる時間
定期便では、空港での搭乗手続き時に他の乗客もいるため、公共の場としての側面が強くなります。そのため、周囲への配慮が求められ、行動に制限がかかることも少なくありません。
一方、ビジネスジェットは定期便とは異なる動線が確保されており、空港での一連の手続きがスムーズに進みます。搭乗手続きや到着時の入国審査、税関を含む各種手続き、施設内の移動、搭乗時刻までの待機時間などを大幅に短縮できることが特徴です。
さらに、定期便就航の有無に関わらず利用空港を柔軟に選択でき、目的地に近い空港を利用できることから、地上での移動時間も短縮可能です。こうした点から、効率的なフライトが可能となり、移動全体にかかる時間の削減につながります。
渡航先や運航スケジュールの自由度
定期便は特定の空港に就航しているため、利用空港を自由に選ぶことはできません。一方、ビジネスジェットは、運航日や発着時間、場合によっては定期便が運航していない渡航先を利用者が自由に設定することができます。
商業路線の有無に関係なく、目的地に近い空港へ直接運航できるほか、定期便が運航していない時間帯や区間でもフライト可能です。そのため、ビジネスジェットを利用すれば、直行便のない目的地への移動もスムーズに行えます。
プライバシーと機密性の確保
ビジネスジェットは、移動中にプライベートな空間で快適に過ごすことが可能です。機内は機密性が確保されており、オフィスのような環境で仕事をすることが可能です。機内で会議をしたり、取引相手と一緒に搭乗して商談や打ち合わせをするなど、機密性の高い情報を扱うことができます。
また、ビジネスジェットの利用時は専用ターミナルを通じて搭乗するため、定期便の利用者とは異なる動線が確保されています。そのため、第三者の目に触れる機会が少なく、移動自体を秘匿しながら出入国することも可能です。

ビジネスジェット(プライベートジェット)の種類
ビジネスジェットは、以下のように多岐にわたりカテゴライズされています。
01小型機
ビジネスジェットの小型機については、以下の通りです。
- 搭乗可能人数:4~6人
- 航続距離:約2,500km
- 適正フライト時間:2~3時間
- 給油なし移動距離(目安):東京~北海道
02中型機
ビジネスジェットの中型機については、以下の通りです。
- 搭乗可能人数:8~10人
- 航続距離:約5,000km
- 適正フライト時間:約6時間
- 給油なし移動距離(目安):東京~沖縄、ニューヨーク~ロサンゼルス
03大型機
ビジネスジェットの大型機は、以下の通りです。
- 搭乗可能人数:最大19人
- 航続距離:約13,000km
- 給油なし移動距離(目安):東京~欧米各都市(ニューヨーク、ロンドン等)
- 寝室やオフィスとして利用できる広いスペースがある
- 客室乗務員が同乗し、機内サービスを提供してくれる
04超大型機
大型機を上回るサイズとして、超大型機と呼ばれる種類もあります。
座席数が多いのが特徴で、スポーツチームや団体旅行での移動に利用されています。
- 搭乗可能人数:20人以上
- 航続距離:約10,000km
- シャワールームを備えている場合がある
- 客室乗務員が同乗し、機内サービスを提供してくれる
ビジネスジェット(プライベートジェット)の利用に関する注意点
ビジネスジェットを利用する際は、いくつか注意が必要な点があります。具体的には以下のとおりです。
定期便とは費用が異なる
ビジネスジェットを利用するには、貸切料金やパイロットの人件費、燃料費などの支払いが必要となります。利用するビジネスジェットの種類や移動距離によって異なりますが、費用は高額になりがちです。しかし、生産性向上やプライバシー確保など、その投資価値は費用を上回ります。
手配に手間がかかる
ビジネスジェットを利用するには、事前にさまざまな準備が必要です。例えば、以下のような綿密な準備を必要としますが、これらはビジネス成功に重要なプロセスです。
- 出発時間やルートなどのフライトプランを決める
- 国や空港から運航許可を取得する
また、スケジュールを組んでも、空港の混雑状況や天候によって予定が変更されることも少なからずあります。
専門の旅行会社を通じて手配することで、緊急時の対応や各種手続きを任せることが可能です。
これらの点に注意を払いながらビジネスジェットを活用することで、その価値を最大限に引き出すことができます。
適切な投資と準備により、ビジネスの成功と成長を加速させる強力な手段となるでしょう。
事例
ハワイの海と空で絆つむぐ!感動の35周年記念旅行
求人広告業界で30年以上の支援実績を持つA社は、節目ごとに社員同士の交流を促し、エンゲージメントやモチベーションの向上を図ってきました。35周年記念のハワイ旅行では、日々お忙しい経営者の身体的負担軽減に考慮し、ビジネスジェット(プライベートジェット)の利用を選択しました。
その結果、スムーズな入出国による時間短縮や、快適なフライト環境によるストレスフリーな移動を実感することができ、参加者を大いに満足させることができました。A社は今回のビジネスジェットの利用を通じ、定期便では得られない価値を実感したことから、次回のビジネスジェットの利用も検討しているようです。
まとめ
ビジネスジェット(プライベートジェット)の魅力は、利用者の要望に応じた柔軟な運航と高度なプライバシーを確保にあります。専用ターミナルの利用による迅速な搭乗手続きや、目的地に最も近い空港の選択など、ビジネスジェット(プライベートジェット)は、移動時間の短縮に大きく貢献します。さらに、機内は機密情報を扱うのに適した環境が整っており、移動中でも重要な会議や商談を滞りなく進めることができます。これにより、ビジネスリーダーは貴重な時間を最大限に活用し、生産性を高めることが可能となります。
一方で、ビジネスジェット(プライベートジェット)の利用には相応の費用がかかり、様々な手続きに手間を要します。しかし、専門の業者を活用することで、これらの課題を効果的に解決できます。企業の競争力強化や経営効率化を図りたい企業にとって、時間の効率化やプライバシーを確保できるビジネスジェット(プライベートジェット)の利用は、投資する価値のある選択肢といえるでしょう。
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