企業は、自社商品やサービスの販売促進、認知度の向上、商品・企業ブランディングを目的に、協賛イベントやスポンサードなどを行うケースがあります。イベントプロモーションは、企業のマーケティング戦略の手段としてとても有効です。本記事では、イベントプロモーション実施のメリットやポイント、成功事例などを紹介します。

イベントプロモーションはマーケティング手法の1つ
イベントプロモーションとは、イベントを実施して商品やサービスの魅力を伝え、販売促進、認知度向上、ブランディングにつなげるマーケティング方法です。イベントを通じて顧客に直接体験してもらったり、魅力を伝えたりします。情報発信だけでは伝わりにくい魅力をアピールできる点がメリットです。
イベントの開催には、コストや準備の手間などがかかるため、計画性を持って効果が見込めるような企画を立てることが重要になります。
イベントプロモーションを実施する4つのメリット
企業は、イベントプロモーションの実施により、以下のようなメリットを得ることができます。
ダイレクトなアピールが可能
広告や情報だけでは、リアルな体感に基づく本来の魅力は伝わりません。イベントでは、リアルな体験を通じて、商品やサービスの魅力をダイレクトにアピールすることができます。また、直接アピールをすることで、商品やサービスの具体的な利便性などを説明できる点も大きなメリットです。イベントでの体験が思い出とともに良い印象になれば、ファン化にもつながります。
短時間でPR効果が出やすい
イベントプロモーションは、比較的短期間の開催期間の中で、多くの顧客へアピールすることができます。参加訪問者の様子、アンケート、ブースなどへの立ち寄り数、商談結果など、顧客の反応を即座に確認できる点もメリットです。
他のプロモーション活動では、多くの顧客に対するリーチに時間がかかることもありますが、イベントに足を運んでくれる参加者は、興味を持っている見込み客であることも多いといった傾向にあります。一方イベントの来場者が少ない場合には、費用対効果が低下するので、集客方法についても重要となります。
認知度の向上と情報拡散効果がある
イベントでの直接的な体験は、視覚や聴覚に訴える広告などに比べて認知度が高まりやすいのがメリットです。認知度が高まることで、参加者の周りの人たちにも情報が伝わり、プロモーション効果も高くなります。
また、イベントでのプロモーション自体が、メディアで取り上げられたり、SNSに投稿されたりするなど、拡散効果も見込めます。拡散されれば、イベントに参加しなかった人にも認知され、見込み顧客が連鎖的に増えていくのもメリットです。
顧客に特別感を提供できる
毎回行われる企業の商品プロモーションやキャンペーンは、消費者に飽きられてしまうこともあります。しかし、年に1回、半年に1回などのイベントプロモーションは頻繁に行われるものではないため、限定感があり、注目を集めやすいのがメリットです。
また、参加者は楽しみを求めて来場するため、体験、試食、プレゼントなど、その場に足を運んだからこそ得られる特別感もあります。
イベントプロモーションを実施する2つのデメリット
イベントプロモーションを開催する時には、以下のような留意点があります。ただし、告知を工夫することで、むしろ来場者の増加を見込むことも可能です。
イベント開催費用がかかる
イベントプロモーションの開催には、以下のようにさまざまな費用がかかります。会場の規模が大きくなればなるほど、会場費・人件費・機材費もかかります。
- 企画・製作費
- 会場費
- 機材費
- 人件費(司会、案内係、イベントスタッフ、警備員など)
- 宣伝費
告知の工夫が必要
イベントを成功させるためには、なによりも告知が必要です。告知なしでは、集客は期待できません。告知方法には、SNSでのPR、プレスリリース、自社サイトへの掲載、広告など、さまざまな手法があります。イベントの来場者を増やしたり、イベントの効果を高めたりするためにも、告知の工夫は欠かせません。
イベントプロモーションの種類
イベントプロモーションには、以下のようなさまざまな種類のものがあります。
- 展示会・展示販売会
- スポーツイベント
- 音楽イベント
- フードイベント
- 地域イベント
- ゲーム・eスポーツイベント
- コンテスト・アワード
- 講演会・セミナー
- セレモニー・式典
- 記者会見・新製品発表
- 周年イベント・事業

イベントプロモーションで押さえておきたい5つのポイント
イベントプロモーションでは、以下のようなポイントを押さえておくと、より効果的です。
目的とターゲット層を明確化する
目的が分からない状態のままでは、どのようなイベントを実施すれば良いのかを決められません。ターゲット層が明確でない場合は、中途半端なイベントになってしまいます。目的とターゲット層を明確にすることで、イベントの方向性を決めることができ、効果につながる企画を立てられます。運営チームで共有認識を持つことが大切です。
ターゲット層のニーズに応えられる工夫をする
ターゲット層に単に楽しんでもらうだけではなく、ターゲット層に対して興味や関心を引く、ニーズに応える等、工夫をすることが大切です。主婦層であれば調理体験や試食、若者向けであればSNSと連動した体験イベントなどが有効です。
ただし、何でも実施すれば良いのではなく、ターゲット層に刺さるイベントにする必要があります。イベントは期間が限られるため、余計なことは省くことも重要です。
インパクトのある情報発信を行う
参加者を集めることが目的であるため、思わず参加したくなるようなインパクトのある情報発信が重要です。また、イベントに参加することで得られる体験やスキル、来場者限定アイテムなど、来場ベネフィットや特典等も告知します。情報発信は1度だけではなく、開催前から開催中も随時行うほうが効果的です。また、開催中にイベントの様子などを発信すれば、更なる参加者を募ることができます。
SNSで拡散される工夫をする
拡散力が高いSNSの活用は、集客に欠かせない手段となっています。イベントの情報発信はもちろん、イベントとSNSを連動させることで話題性につながる場合もあります。SNS投稿用のハッシュタグを設置し、どの企業のどのようなイベントなのかが分かる仕掛けが必要です。
アカウントのフォローや、投稿のリツイートなどを条件にプレゼントを準備すると、自然とSNSで取り上げられるようになります。
イベントプロモーション後の様子を発信する
イベントプロモーションが終了したら、開催期間中の様子が分かる動画や写真をホームページにアップする、SNSを活用して拡散するなどの手段で報告します。開催時の会場の様子が分かれば、次回イベントの集客につなげることも可能です。
イベントプロモーションの成功事例3選
最後に、実際に実施されたイベントプロモーションの企業の成功事例を3つ紹介します。
事例01タイカンを肌で感じる
プロモーション
ポルシェ初の電気自動車「タイカン」が初めて日本の公道を走るメディア向け試乗会のイベントプロモーションです。通常なら撮影が難しい仁和寺での撮影許可が取れ、五重塔の前での撮影にも成功しました。また、紅葉の絶妙なタイミングと重なったことで、京都の風景にマッチした写真を撮ることができ、レア感を提供することができました。
比叡山のワインディングロードでは、操作性の良さをまさに体感してもらい、実際に肌で感じてもらうことができました。
事例02旅先での思い出とともに
記憶に残すプロモーション
囲炉裏のように、料理を作りながら食べながら、コンロを囲んで集うパナソニックの「Irori Dining いろりダイニング」の、認知度向上と魅力を伝えることを目的としたイベントプロモーションです。プロモーション自体は以前から行っていましたが、クッキングスタジオの利用や有名料理家の起用は、目線が料理にいってしまうことが多く課題となっていました。
そこで、囲炉裏がある、または囲炉裏で食事を提供する旅館・ホテルに対し、パンフレットを設置してもらうプロモーションを実施しました。日常とは異なる旅先で温かい囲炉裏を囲んだ旅先での思い出とともに、商品の持つ世界観を印象付けることができ、幅広いターゲットへ向けてのアプローチができました。
事例03特別感を提供する
貸切車両のプロモーション
プロ野球球団が地元ファンのために、相手チームの本拠地での応援観戦ツアーを、新幹線の貸切で実施したイベントプロモーションです。受付期間5日で抽選倍率約10倍となる注目度の高いイベントになりました。
新幹線貸切と言う限られた空間で、参加者に一層の特別感を提供しただけではありません。ツアー限定のオリジナルネックストラップ、球団マスコット(キャラクター)による車内サービスなど、思い出の品を提供することでレア感を高めることができました。
まとめ
イベントプロモーションは、自社の商品・サービスの認知度向上、販売促進、ブランディングなどを目的としたマーケティング手法です。告知を工夫することで、短期間でダイレクトなPRが可能となります。また、顧客に特別感を提供でき、情報拡散等効果が見込める点も大きなメリットです。
今回は、イベントプロモーションの種類と共に、押さえておきたい5つのポイントを紹介いたしました。実際の企業によるイベントプロモーション事例の紹介も、ぜひご活用ください。
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