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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 顧客の心を動かすには? ~パナソニック コネクトとJTBのCMOが語る「顧客エンゲージメントと体験設計」~

2025.01.28
ミーティング&イベント
会議・イベント運営

時代の変化、テクノロジーの変化、コミュニケーションの変化などにより、マーケティング活動が多様化しています。お客様とどのようにつながり、関係を深めていくのか。多くのマーケティング担当者が試行錯誤しているのではないでしょうか。

この度、JTBが定期開催しているサロン形式イベント「第3回JTB Engagement Salon」に、パナソニック コネクト株式会社 CMO 山口 有希子 氏をお迎えし、株式会社JTB CMO 風口 悦子をモデレーターとしたトークセッションを実施しました。「顧客エンゲージメントと体験設計」をテーマに、BtoBマーケティング・イベントマーケティングのヒントをお届けします。

JTB Engagement Salonとは・・・

皆さまとJTB、そして皆さま同士の絆を生む機会にしたいという想いから企画した、特定のビジネステーマについて考え、ディスカッションし、気づきを得ることを目的としたサロン形式のイベントです。テーマに関する理解を深めるのみでなく、同じ悩みを抱える異業種の担当者との交流の場として、多様なテーマにて開催しています。

お話を伺った方

山口 有希子 氏

パナソニック コネクト株式会社
取締役 執行役員 シニア・ヴァイス・プレジデント CEO

2017年パナソニック㈱入社。企業向けソリューション事業会社におけるデザイン&マーケティング、カルチャー改革を担当。
新卒でリクルートコスモスに入社。その後、シスコシステム、Yahoo! JAPAN、日本IBMなどの企業においてマーケティング管理職を歴任。2023年には、20名が選出されるGlobal CMO Fellowship Program(Executive MBA)に合格、他社のGlobal CMOと共に学ぶ。デジタルマーケティング業界での功労者に授与される「Web人大賞2023」受賞。マーケティング、DEI、テクノロジーを軸に、社内外で積極的に活動を行っている。

風口 悦子

株式会社JTB
執行役員ブランド・マーケティング・広報担当 兼 CMO

2023年9月より株式会社JTBに入社、ブランディング・マーケティング担当執行役員、チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)に着任し、ツーリズム事業に加えてB2B領域のマーケティング強化やグローバルブランドの強化を推進する。前職の日本IBM株式会社では、執行役員チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、パフォーマンスマーケティング・ディレクター、クラウド・AI担当プロダクト・マーケティング・ディレクターなどマーケティングの要職を歴任。システムズ・エンジニアや営業職の経歴も持つ。

マーケティングは企業の変革をドライブさせる

風口 悦子(以下、風口)
本日は、「顧客エンゲージメントと体験設計」をテーマに、パナソニック コネクトの事例を交えながらお話できればと思います。
山口 有希子 氏(以下、山口)
最近、マーケティングがさまざまな場面で必要とされる時代になっていますが、企業におけるマーケティングの定義は明確ではありません。
私は、マーケティングは、企業のトランスフォーメーション(変革)をドライブさせる役割がある、と信じています。
風口
パナソニック コネクトでは、マーケティングを通じて企業の変革にどう関わっていますか?
山口
私がCMOになって、「マーケティングは、企業カルチャーをつくることである」というメッセージを社内に共有しました。企業カルチャーをつくることは、企業のブランドをつくることと同意語だと思っています。
企業カルチャーをつくるうえで、大切なことは“顧客起点”です。
個客起点の考え方を推進するために、マーケターがConnected Hubとなり、各部門と連携しながら、テクノロジーなどを活用して効率的にマーケティング活動を行う。その先に、リードを獲得する、新しいマーケットを切り開く、といったビジネスへの貢献を意識しています。
風口
他分野の方々からは、よく「マーケティングって〇〇をする人でしょ?」と、その役割を狭義に捉えられるケースがあります。しっかりとその役割を定義付け、社内に発信することはとても大切ですね。
山口
私が入社した当初は、マーケティングの役割は社内に理解されてなく、組織の在り方も複雑になっていました。各事業部内に、マーケティングという名称がついた部署が多数あったものの、一般的なマーケティング業務を行っていないことも・・・。
そこで、本来のマーケティング機能が果たせる部署を立ち上げ、事業部内でマーケティングを担う部署や人を横串でつなげ、“みんなでマーケティング能力を上げる”ための組織改革を行いました。
ただ、いろいろな施策をマーケターだけで実施していては社内の信頼を勝ち取れません。“事業のためにやる”、“みんなでやる”ことを常に意識しながら取り組み、結果に結び付けていきました。
風口
異なる事業部同士でも、一緒になって成功体験をつくる。その成功体験が共有されていくと、社内におけるマーケティングの理解も広がっていきますね。

ストーリーを伝えるための体験設計とは

風口
ここからは、本日のメインテーマである「顧客エンゲージメント」についてお話を聞かせてください。
一般的にマーケティング活動は、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチに分類されますよね。
そこで、本日はハイタッチの事例を中心にお話を伺えればと思います。
山口
はい、まずはパナソニック コネクトが毎年開催している展示会「GEMBA SOLUTION」を紹介します。
私たちは、もともと製造業からスタートし、近年はソリューションビジネスへとシフトしていきました。モノを見せるのではなく、ソリューションをどうやってわかりやすく、魅力的に見せるか。プレゼンテーションの方法を変えていきました。
そこで、重要なことはストーリーを伝えることです。
風口
近年は、ウェビナーなどをはじめ、オンラインでのプレゼンテーションが一般的になり、リアルな場所に足を運んでもらうハードルが上がりました。その場所でしか得られない情報や体験を設計し、ストーリーを伝える必要があると感じています。
山口
この展示会では、すべてのお客様に均一なご案内をするのではなく、個々に応じたカスタマイズツアーを行います。
お客様の興味関心をヒアリングし、個別にカスタマイズした流れを設計し、ご案内しています。
風口
私も実際にお邪魔させていただきました。私の興味関心に合わせて、カスタマイズされたプログラムを受けることで、上質なカスタマーエクスペリエンスを体験することができました。
また、「Customer Experience Center」という本社ビルにある顧客向けの施設での体験も印象に残っています。
山口
ありがとうございます。この「Customer Experience Center」は、私が入社してすぐプロジェクトをスタートさせました。

Customer Experience Center

パナソニック コネクトが提案する「現場プロセスイノベーション」の実現をお客様と共に加速・推進させていくことを目的に、お客様との接点のハブ機能となる共創の場。

以前は展示会で、プロダクトをその場に置いて単体で見せていました。しかし、ソリューションビジネスへの変化に伴い、事業の垣根を越えて、ソリューション同士をつなぎ合わせ、ストーリーを伝えることが重要になってきました。

風口
垣根を越えることが重要ですね。
山口
営業担当者は、お客様の課題や要望に合わせ、どんなソリューションをどのように提案するか、を設計する必要があります。営業担当者とマーケティング部門が一体となってカスタマーエクスペリエンスを設計し、提供する場として開設しました。
風口
他にもプロキュアメントサミットという施策もあったと思いますが、別の観点でアプローチした事例でしょうか。
山口
本サミットは、弊社の調達部門が主催となり、仕入れ先様の社長や会長をお招きし、パナソニック コネクトをご体験いただくイベントです。
かつて、このようなイベントは主催となる部署のみが準備~実施までを行っていました。しかし、お取引先様は、調達部門だけでなく、パナソニック コネクト全社にとって大切なパートナー様です。
であれば、1つの部署で対応するのではなく、会社全体で取り組んだ方がより良いイベントになるはずです。 イベントのコンテンツづくりから運営まで、しっかりとデザインを統一し、お客様の体験を設計することに注力しました。各部署のTOPも巻き込み、マーケティングの視点も取り入れながら、全員でつくりあげていきました。
風口
マーケティング部は体験づくりのプロですからね。企業のなかには、部署ごとにたくさんのステークホルダーとの関わりがあり、特定の人同士の関わりになるケースもあります。しかし、それぞれのステークホルダーから見れば、同じ1つの会社との関わりです。
お互いが視点の違いを取り除き、企業が一体となって、体験を提供していくことの重要性を感じました。
体験設計には、さまざまな手法・工夫がありますが、効果を高めるポイントはありますか。
山口
イベントに限らず、マーケティング活動全般において、顧客に向き合うことがとても重要です。そのためにも、顧客情報・データを活用できるように整備するのが大切だと思います。
私たちもそうでしたが、複数の事業部ごとに顧客データ管理をしているケースがあります。そこで、社内の顧客データを統合することで、事業部の垣根を越えて、会社全体でマーケティング活動に活かすことができます。

長期的な視点で、社会にメッセージを届ける

風口
イベント設計は、時代に応じて変化しています。近年は、サステナビリティへの配慮が求められています。パナソニック コネクトさんではどのように取り組んでいますか?
山口
私たちがやっているイベントにおいても、環境負荷の軽減に取り組む必要性を感じています。会場の資材をリユースするなど、さまざまな工夫を行っています。
風口
さまざまな工夫ができる一方、サステナビリティへの配慮によって、費用がかかるという現実もありますよね。
山口
その点については中長期で考えることが重要だと思います。DEIの視点でも、受付や登壇者などを含め、イベントに関わる方の性別や年齢、立場などを多様化することを意識しています。
そうすることで、社内外へのメッセージの発信になるのです。

まとめ

風口
本日は、顧客体験、顧客エンゲージメントなどのテーマをさまざまな視点で語っていただきました。最後に、マーケティング活動に関わる人たちにメッセージをお願いします。
山口
日頃、みなさんはさまざまなプロジェクトに関わっていると思いますが、マーケティングだけで成り立つプロジェクトはありません。
そのため、常につながることが重要です。自分から手を差し伸べてつながりたいという姿勢を見せること。社内はもちろんパートナー企業など社外とのつながりが増えることで、新しいカスタマーエクスペリエンスが生まれる。
それが、新たなお客様との出会い、お客様との深いつながりに結びつくと信じています。
風口
本日は貴重なお話をありがとうございました。

「交流創造事業」を事業ドメインとするJTBは、旅行だけでなく企業のビジネスイベント開催も通じて、企業のエンゲージメント課題の解決を支援しています。年間1万件超(2023年度実績)のイベントを手がけるほか、企業のイベント担当者を対象とした調査も定期的に実施するなど、イベントに関する知見やノウハウを擁しています。

参加者に記憶に残る体験をしてもらい、やがてはビジネスにつながるようなイベントの設計には、満たすべき「3つのニーズ」があります。希望するすべての人が支障なく参加できる『フィジカルニーズ』、ビジネスに役立つ『ビジネスニーズ』、そして心に響き、記憶に残る楽しさや驚きの体験で心を動かす『エモーショナルニーズ』。
これらを満たした設計がイベントの成功に不可欠であり、そこに「行動経済学」などの科学的見地からアプローチしているのが、JTBのミーティング・イベント事業となります。

顧客との関係性の強化に、ココロ動くJTBのミーティング&イベントを取り入れてみてはいかがでしょうか。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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