社員のモチベーションを上げることは、企業の成長につながります。しかし、社員の価値観や働き方が多様化する中、どのような手段を講じれば社員のモチベーションを向上できるのか分からず、お困りの企業も多いのではないでしょうか?本記事では、社員のモチベーションを上げる方法やポイントを紹介します。
また、記事の最後にはお役立ち資料「企業のインセンティブ担当者に聞きました!セミナー参加者アンケートから読み解く 今後のインセンティブ施策検討のポイントとは?」を掲載します。ぜひ、ご覧ください。
INDEX
社員のモチベーションを向上させるメリット
社員のモチベーションが向上すると、以下のようなメリットが期待できます。
01業務の生産性が向上する
モチベーションが上がると、前向きに仕事に取り組めるようになり、社員1人ひとりの生産性が向上します。また精神的なストレスが低減され、業務上のミスが減少する効果も期待できます。これにより、会社全体の生産性向上、企業としての業績向上につながります。
02離職率が低下する
仕事に対する意欲や楽しさが向上すると、従業員満足度が上がります。すると、組織に対して愛着を持つ社員が増えるため、離職率の低下につながります。
03優秀な人材を確保しやすくなる
モチベーションが高い社員は自発的に行動する傾向があるため、より良いサービスや商品が生まれやすくなります。また、社員の満足度が高い環境は、求職者にとっても魅力的です。企業のイメージアップにより、優秀な人材を確保しやすくなります。
外発的動機づけ・内発的動機づけとは?
社員のモチベーションを上げるためには、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の違いを理解することが大切です。
外発的動機づけの概要
外発的動機づけとは、報酬や評価、罰則や懲罰といった、外的な要因によってもたらされる動機づけのことです。企業においては、昇給やインセンティブなどが該当します。実施方法がシンプルで分かりやすく、自分にとっての損得が明確なので、実際の行動への意欲が高まりやすく、効果を発揮しやすい点が特徴です。
ただし、外発的動機づけによるモチベーションは、長期間持続しにくい傾向があります。また、会社からの評価や昇給などが目的になると、社員の自主性や創造性を妨げる恐れがあるため、注意が必要です。
内発的動機づけの概要
内発的動機づけは、興味・関心や好奇心、探究心など、その人の内なる欲求から生まれる動機です。行動そのものが目的となるため、社員の意志により、自発的なアクションを促せます。そのため、目標を達成した際に満足感や幸福感が得られ、モチベーションが長期間維持されやすく、業務に積極的に取り組める点が特徴です。
例えば、人事評価やインセンティブ制度そのものは外部からの評価なので「外発的動機づけ」にあたりますが、そこからさらなる成長やスキルアップを促すことができれば、「内発的動機づけ」に転換することができます。企業の成長のためには、従業員全員が強い内発的動機づけを持っている状態が理想とされています。
社員のモチベーションが低下する主な理由
社員のモチベーションが低下する理由としては、以下の4つが考えられます。
01職場の人間関係にストレスを感じている
職場の人間関係は、社員のモチベーションに大きな影響を与えます。特に、直属の上司との折り合いの悪さは、チームに対する貢献意欲が低下する一因です。チームの風通しが悪くなり、仕事中の連携がうまくいかなくなる恐れもあります。
02仕事に対してストレスを抱えている
業務に対する不満も、モチベーションが下がる原因です。例えば、以下のような不満を抱えている社員は、モチベーションが下がりやすい傾向にあります。
- 仕事に意義を見出せない
- 達成感がない
- 与えられる業務量が多すぎる
- キャリアに不安を感じている など
特に、長時間労働が常態化している場合は、注意が必要です。目の前の仕事に追われる日々が続くと、働く意欲が下がりやすくなります。
03給与や福利厚生に不満がある
「給与が低い」「福利厚生が不十分」「残業代が出ない」など、待遇面への不満もモチベーションが下がる原因です。特に、給与は社員の生活に直結する重要な要素です。たとえ仕事内容や人間関係に不満がなくても、待遇が悪いと転職を検討されてしまう場合があります。
04成果や頑張りを評価されない
人事評価が正当でないことも、モチベーションが下がる原因です。成果や頑張りを評価されないと、承認欲求が満たされず、働く意欲が削がれてしまう可能性があります。また、人事評価の基準が不明瞭な状態は、組織への不信感につながります。
「会社から大切にされていない」と感じた従業員は、自分のことを適正に評価してくれる環境を求めるものです。転職を検討する社員が増えれば、組織力が低下してしまいます。
社員のモチベーションを上げるために押さえておきたいポイント
社員のモチベーションを上げるためには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
POINT01内発的動機づけ・外発的動機づけを使い分ける
組織の成長を促すためには、社員が内発的動機づけによって、自発的に仕事に取り組んでいる状態が理想的です。しかし、内発的動機づけは社員の本人の内なる欲求から生み出されるため、外部からの働きかけは困難を要します。昇給やインセンティブなどの外発的動機づけを活用しつつ、上司によるフィードバックといった方法で内発的動機づけを高めることをおすすめします。
POINT02アンダーマイニング効果に注意する
アンダーマイニング効果とは、内発的動機づけで行動していたものに外発的動機づけを提示することで、自己決定感や自己優位性が損なわれ、かえってモチベーションが下がってしまう現象のことを指します。好奇心や探究心に従った行動に、金銭やご褒美などの物質的な報酬が与えられることによって、行動の目的が「報酬を受けること」にすり替わってしまい、モチベーションが低下してしまうのです。
すでに内発的動機づけによって行動している社員には、安易に外発的動機づけを与えないよう注意することが大切です。
POINT03「マズローの欲求5段階説」を活用する
心理学者のマズローによれば、人間の欲求は5段階に分けられます。
1段階目 | 生理的欲求 | 基本的かつ本能的な欲求 |
---|---|---|
2段階目 | 安全の欲求 | 心身の安全が確保された生活を送りたいという欲求 |
3段階目 | 社会的欲求 | 集団に属したい、仲間を得たいという欲求 |
4段階目 | 承認欲求 | 他者から認められ、自分を評価したいという欲求 |
5段階目 | 自己実現の欲求 | 理想の自分になりたいという欲求 |
これらの欲求は、より低次のものから満たされていくとされています。まず「生活に必要な給与を得て、心身ともに健康でいたい」という欲求が満たされる必要があり、そのうえで、やりがいや自己実現を求められるようになります。社員のモチベーションを高める場合も、低次の欲求から満たしていくことが必要です。
社員のモチベーションを上げる5つの方法
社員のモチベーションに働きかける5つの方法を紹介します。
01チャレンジできる環境の整備
1つ目は、社員が新しいことに挑戦しやすい環境を整備することです。新規事業開発の公募など、社員自らの意見を会社のアクションとして実行する仕組みを作るなど、主体性を促す仕組みを整えます。それにより、内発的動機づけが満たされ、社員のモチベーションが向上する可能性が高まります。
02サポート体制の充実
社員の特性や強みに合わせたスキルアップを支援することも重要です。上司がキャリア設計をサポートすれば、部下の意欲的な努力を促すことができます。例えば、以下のような施策がおすすめです。
- 社内研修
- 資格取得制度
- 書籍購入費用負担
- 外部研修費用負担
- 表彰制度
なかでも、社員の頑張りに対する表彰制度はおすすめです。表彰制度には、表彰される社員以外にも「会社から称賛される行動」を意識づけられるというメリットがあります。これ自体は外発的動機づけですが、目標達成までの過程や内面的な成長を称賛することで、内発的動機づけも促すことができます。
03人間関係の円滑化
社内コミュニケーションの活性化は、人間関係の改善につながります。職場の雰囲気や居心地がよくなることで「チームに必要とされている」という気持ちが高まり、モチベーションの向上も期待できます。特に、直属の上司との関係は、部下のモチベーションを大きく左右する重要な要素です。
1人ひとりの適性や強みを把握し、部下が「自分のことをよく見てくれている」と思えるような関係性が理想的です。また、身近にロールモデルがいると、キャリアに対する目標を明確にできます。マネジメント力の強化を含め、部下を導く上司の育成に力を入れることも大切です。
04評価方法の改善
人事評価の基準を明確にすると、社員の日々の業務における目標も明確化されます。また、昇給・昇格の条件が明らかになれば、それぞれのライフプランに合わせてキャリアアップの計画を立てられるようになります。上司がキャリアパスを提示する、キャリアデザイン研修を行うなど、社員が最適なキャリアを描けるような施策を実施することも大切です。
05企業理念やビジョンの共有
組織としての理念やビジョンを共有すると、社員は自分に求められている役割や、進むべき方向を理解できるようになります。組織における自分の役割を意識できると、今やるべきことが明確になり、仕事に対するモチベーションが向上します。
社員のモチベーションを上げる施策の具体例
ここからは、社員のモチベーションを高めるために、企業が実施している施策を3つ紹介します。
01 IT関連企業 A社 様日本で対面開催!コロナ禍で開催したアジアパシフィックエリアの社内キックオフ
グローバルに事業を展開するIT関連企業のA社様では、各国の社員を日本に招き、コミュニケーションの強化を図るイベントを開催しています。チームビルディングのためのゲームを実施するといった、参加者の一体感を高める工夫が満載です。
02 大手機械メーカー B社 様「HERO」を称える“炎”の表彰イベント
大手機械メーカーのB社様は、業績をリードした社員の表彰式を開催しています。空間デザインや演出にもこだわり、エンタメ感のあるイベントに仕上がっている点が特徴です。
- 詳細はこちら
- 「HERO」を称える“炎”の表彰イベント
03 フォルシア株式会社 様「7つの習慣®Outdoor」で営業部署の雰囲気が目に見えて変わった!そして参加意欲が全社員に波及!
フォルシア株式会社様では、チームワークを強化する部署内イベントを開催しています。アウトドア体験を通じたチームアクティビティを実施したことで、職場の人間関係がより一層良好になるという結果をもたらしました。
まとめ
社員のモチベーションを高めるためには、職場環境やサポート体制などを整備することが大切です。また、社員の頑張りが適正に評価される仕組みを整えれば、働くモチベーションにプラスの影響を期待できます。具体的には、人事評価制度の透明性や公平性を高める、インセンティブ制度を導入するなどの施策がおすすめです。
最後に、社員のモチベーション向上に関するお役立ち資料を紹介します。ぜひ、ご覧ください。