JTBグループでは「日本の魅力再発見」をテーマに各地の旬の魅力を掘り起こし、国内観光地域活性化を目指すキャンペーン「日本の旬」を毎年上半期と下半期の2回に分けて展開しています。通常は地域にスポットを当てて実施しているキャンペーンですが、2023年10月から24年3月までのテーマは「日本の旬 アドベンチャーツーリズム」。日本の豊かな自然の中で、その土地ならではの体験及び文化を感じ、「人生を豊かにする旅」をご紹介します。
「日本の旬 アドベンチャーツーリズム」のテーマは「旅で変わる、新しい自分」。日本の豊かな自然の中でその地域ありのままの文化を地域の方々とともに体験し、「人生を豊かにする旅」をきっかけとして、旅行者自身が一歩前に進む、成長の実現を促します。今回はさまざまなプログラムの中から、企業の皆様にお勧めの目的別モデルコースをご紹介します。日本の旬をきっかけに、アドベンチャーツーリズムの考え、魅力を知っていただけたら幸いです。ぜひ、ご覧下さい。
INDEX
アドベンチャーツーリズムとは
アドベンチャーツーリズムの概念
アドベンチャーツーリズムとは、「アクティビティ」、「自然」、「異文化体験」の3つの要素のうち2つ以上で構成される旅行形態で(世界最大のアドベンチャーツーリズム関連機関、Adventure Travel Trade Associationによる定義)、もともとは1980年代に、自然を活かしたアウトドア・アクティビティ観光として、ニュージーランドで発達しました。自然をテーマとした観光にはエコツーリズム、グリーンツーリズムなどがありますが、アドベンチャーツーリズムは、アクティビティや異文化体験が組み込まれ、「学び」より「楽しみ」を重視したレジャー性の高さが特徴です。
アドベンチャーツーリズムの魅力
アドベンチャーツーリズムには、地域の自然資源と文化、伝統、歴史等を掛け合わせることで新たな体験価値が生まれ、出会ったことのない景色とともに、新しい自分を発見できるという魅力があります。アドベンチャーツーリズムは、内面からの変化や視野の拡大を実現し、参加者の自己変容を促します。また、環境負荷が少ないサステナブルな旅として、地域の活性化を促すという側面もあります。
日本におけるアドベンチャーツーリズム
コロナ禍を経て、旅行者の志向は「少人数での旅行」「都市から離れた場所への旅行」「自然の中を楽しむ旅行」へとシフトしています。アドベンチャーツーリズムは、少人数でより付加価値の高い体験ができることから、アフターコロナに求められる市場ニーズに合致した新しい旅のスタイルとして、注目されています。特に日本は森林、火山、川、湖、海などの自然資源が豊富にあり、アジアの中でもポテンシャルの高い国として、世界から熱い視線が注がれています。日本には、幅広い気候区分や固有種比率の高い動植物たち、自然環境、温泉地などの観光資源があることはもちろん、日本の食(和食)はユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に価値あるものとして認められています。
アドベンチャーツーリズムは、環境保護や旅行を通じた地域貢献を重視する層から支持されていることもあり、地域活性化につながる旅行形態として、各自治体が積極的に取り組みを強化しています。
日本の旬2023年下期「アドベンチャーツーリズム」
日本の旬「アドベンチャーツーリズム」とは?
- 豊かな自然を季節に合わせて五感を使って楽しむ
- その土地に精通したガイドや地域の皆さんと考えて作ったプランを楽しむ
- その地域で暮らす人々と旅を通して交流を楽しむ
- 一味違う体験に触れ、新しい自分を発見することを楽しむ
- 体験を通してその地域だからこそ学べる自然・文化を楽しむ
アドベンチャーツーリズムの企業の活用
企業が抱える課題の解決に寄与
近年、企業が抱える課題は、SDGs、脱炭素、環境保全、人財育成、エンゲージメント、地域活性への貢献など、さまざまです。そして、それらの課題はアドベンチャーツーリズムにより得られる効果とマッチングさせることで、解決を図ることが期待できます。
例えば、アドベンチャーツーリズムは、参加者の自己変革や自己成長を促すことにつながり、特別な経験となることから、企業研修やインセンティブに向いています。また、アドベンチャーツーリズムの旅行者の特徴として、教育水準が高い富裕層の割合が高く、長期の滞在を好み、アウトドアギア(用具、装備)にもこだわる層が多いことが挙げられ、特にヨーロッパや北米、オーストラリアで人気があることから、インバウンド向けのツアーやグローバルミーティングのプログラムにおすすめです。
そこで、ここからは企業の課題解決に役立つモデルコースをご紹介します。
企業の目的別モデルコース紹介
インセンティブにおすすめ 鹿児島県「屋久島の“水の循環”を体感する旅」
世界自然遺産・屋久島の大自然と共生している、屋久島公認ガイドがスルーガイド(ストーリーテラー)として全行程同行する2泊3日のツアーです。“水の循環”というテーマで繋いだ、「山」「森」「川」「里」でのアクティビティを同じガイドがご案内します。
屋久島の山々に降る大量の雨は森を育て、川となり里で暮らす人々の暮らしをうるおして海に注ぎます。そしてまた、太陽の恵みを得て、雨雲となり再び山上へと運ばれます。世界的にも有名な屋久杉を中心とする大自然でのソフトアクティビティや、集落・産業めぐりなどを、“水の循環”というテーマで繋いだツアー全体を通じて、屋久島の本当の恵みを感じて頂きます。自然との共生、地域の生活・営みを体感することで、参加者に驚きや感動を与え、記憶に残り、人生観をも変える旅になる2泊3日のプログラムです。
屋久島公認ガイドとは http://www.yakushima-eco.com/log/what-is-kounin-guide/
スケジュール(一例) 所要時間:3日間
1日目
- 14:00
- 屋久島に到着(14時までに屋久島へ到着して下さい)
屋久島空港または安房港、宮之浦港でスルーガイドがお出迎え
専用車でヤクスギランドへ移動
【山】ガイドと歩くヤススギランド・紀元杉
終了後、ホテルへ ホテルにて夕食
2日目
- 8:00
- ホテル出発
- 9:00
- 落差88mの屋久島最大の滝、大川の滝
- 10:00
- 【森】世界自然遺産の森・西部林道ネイチャーウォーク
昼食はピクニックランチ - 15:00
- 日本一のウミガメ産卵地、永田いなか浜
- 17:00
- ホテル到着、ホテルにて夕食
3日目
- 8:00
- ホテル出発
- 9:00
- 【川】澄んだ水と緑が眩しい、安房川リバーカヤック
- 11:00
- 【里】人の暮らしや産業に触れる、春牧地区里めぐり
昼食はレストランにて
終了後、屋久島空港または宮之浦港までお見送り
(15時以降に屋久島を出発して下さい)
全行程、屋久島公認ガイドがスルーガイドとして同行します。
天候等の関係で、内容が変更になる場合があります。
レインウェアは必須です。(現地レンタルも可能です)
社員旅行におすすめ 三重県 祈りの道「熊野古道(馬越峠)」を守り伝えるエコツアー✕アドベンチャーツーリズム
熊野古道の自然・歴史・文化を感じながら、ゆっくりとマイペースで歩く貸切りのツアーです。道中では、熊野古道伊勢路の中で随一と言われる石畳が尾鷲ヒノキの美林の中に続き、夜泣き地蔵などの史跡も多く残っており、「これぞ熊野古道」という雰囲気を味わえます。
人々の思いが感じられ、旅行者と住民をつなぐツアーを企画・実施している「くまの体験企画」との協業の下、日本エコツーリズム協会推奨「グッドエコツアー」に推奨されたプランを軸に、上質なアドベンチャーツーリズムの要素も取り込みました。また、三重県と紀北調理師会が3年の歳月を掛け開発した熊野古道の薬草を利用した「熊野古道薬草弁当」も好評です。
熊野古道を守り伝える活動や、文化的景観の意味や価値、環境保全の大切さを知ることができる、本物志向の企業におすすめのプログラムです。いにしえの巡礼者の想い、受け入れてきた住民の想い、そのなかで育まれてきた旅の文化を知ることは、学びや気付きが多く、社員旅行におすすめです。
スケジュール(一例) 所要時間:約5時間
- 10:00
- 道の駅海山集合(レクチャー、ストレッチ)
ガイドと合流して熊野古道に纏わることや安全上の注意点等のレクチャーを行います。準備運動を終えていよいよ出発。 - 10:20
- 馬越峠登り口(トレッキング開始)
- 11:00
- 夜泣き地蔵
- 11:30
- 馬越一里塚
- 12:15
- 馬越峠(熊野古道薬草弁当)※昼食
熊野古道の薬草を利用した「熊野古道薬草弁当」を堪能。 - 13:30
- 桜地蔵
- 13:40
- 展望東屋(尾鷲市内を一望)
ここから見える絶景はそれまでの疲れを吹き飛ばしてくれます。 - 14:00
- 馬越公園
- 14:15
- 馬越不動滝
- 14:25
- 熊野街道
- 14:45
- 尾鷲神社(トレッキング終了)
お疲れ様でした。 - 15:00
- 各地へ
グローバルミーティングにおすすめ 沖縄県 世界自然遺産「やんばるの森」自然と人の共生 集落ガイドウォーク
世界自然遺産「やんばるの森」エリアにある長寿の村「大宜味村」喜如嘉集落を、先祖代々この土地で過ごす集落ガイドがご案内します。集落内にある古民家を改装した一軒宿「仲門(Nakajo)」にて、集落で採れた野菜などの郷土料理による昼食を体験し、芭蕉布会館での国指定重要無形文化財「芭蕉布」の伝統と文化を学ぶことができます。先人の生活の工夫や知恵を受け継ぎ、自然と混ざりあって生きてきた持続可能な人の営みを通し、暮らしと地続きの自然や文化を、人間との深いつながりとともに感じることができるガイドウォークです。観光地ではない集落での滞在は、自然との共生について考えるきっかけになります。沖縄には国際会議ができるホテルや会場があるので、グローバルミーティングに組み込むことで、印象に残る会議にしてみてはいかがでしょうか。
スケジュール(一例) 所要時間:約4時間
- 10:00
- 大宜味村「喜如嘉(きじょか)公民館」にて集合
- 10:00~12:00
- 喜如嘉集落ガイドウォーク(約120分)
糸芭蕉の畑に囲まれた昔ながらの民家の立ち並ぶ集落を先祖代々この土地で暮らす集落ガイドの案内で、ガイドとしか入れない御願所(お祈りの場)や共同売店など、今も残る自然と人の共生を体験いただきます。 - 12:00~13:00
- 集落内一軒宿「仲門(Nakajo)」にて昼食(約60分)
集落内の古民家を改装した一軒宿にて、地元で採れた島野菜などの昼食をお召し上がりいただきます。 - 13:00~14:00
- 「芭蕉布会館」にて文化体験(約60分)
沖縄の織物の中でも最も古い織物で、国指定重要無形文化財である「芭蕉布」。「芭蕉布会館」は、後継者育成を目的とした施設で伝統を受け継いでいる人たちの共同作業場にもなっており、その歴史と文化を感じることができます。
企業研修におすすめ 山形県「出羽三山山伏修行体験」
日本三大修験の山の1つである出羽三山で、白装束を身に纏い、俗世界から離れて修行の一端を体験します。自然と一体になることで、自然と人間との共生を体感し、自然や生命に対する「感謝の心」を学びます。三山をお参りすることによって人は生まれ変わると言われてきました。山岳信仰の聖地で山伏の精神文化を身体で感じながら、自分の心と向き合い、自分自身を見つめ直すことができます。両脇に特別天然記念物の杉並木が広がる石段を歩く「羽黒山とそう」をメインに出羽三山の自然、そして修験道を学ぶことができるプランです。
集団で修業を行うことで、参加者同士に「絆」が生まれることが期待できるので、企業研修におすすめです。本来は17名以上のみの受付ですが、JTBならではプランでは2名以上から受付可能です。
スケジュール(一例) 所要時間:約5時間
- 10:00
- いでは文化記念館集合
装束へ着替え - 10:30
- 峰入式(山伏の心得等の講話)
【山伏修行の掟】
一、私語禁止 一、返事は全て「うけたもう」 一、一切の電子機器は持ち込み禁止 - 11:00
- 羽黒山とそう(山駆け)
- 13:30
- いでは文化記念館着
壇張り(食事) - 14:00
- 床固め(座禅)
- 14:30
- 出生式(火渡り)
- 15:00
- 解散(着替え)
- ご注意
- 2023年5月上旬から2025年春頃まで、20年に1度の屋根改修工事のため羽黒山五重塔が幕で覆われて見られなくなります。工事期間中以下のイベント等が企画されています。
- 工事期間特別御朱印(有料)
- こけら葺きの木の板にお名前をご記入いただき、新しい屋根に使用する
(2,000円以上のご寄進) - こけら葺きの資料展示
- 天地金神社(随神門近く)特別参拝
(天地金神社・羽黒山五重塔のご祭神、羽黒山・月山本地仏参拝)
まとめ
今回は、アドベンチャーツーリズムの魅力や、企業における活用法と目的別モデルコースをご紹介しました。アドベンチャーツーリズムは、アフターコロナの新しい旅行形態として世界的に人気があり、日本国内でも注目が高まっています。地域活性化につながる旅行形態として取り組みを強化する自治体が増えており、多様な言語に対応できるガイドの育成や、宿泊施設やインフラの整備が進み、更に発展する可能性があります。SDGs、脱炭素、環境保全、人財育成、エンゲージメント、地域活性への貢献などに課題を抱える企業の方は、貴社の旅行や研修などの行程に、アドベンチャーツーリズムを取り入れることを、ご検討されてみてはいかがでしょうか。その際は、日本の旬「アドベンチャーツーリズム」のサイトもぜひご覧ください。
日本の旬 アドベンチャーツーリズム | アクティビティ・旅行予約は【JTB】
関連情報
- #ThinkTrunk 2023年6月 北海道
- https://www.jtbbwt.com/business/trend/detail/id=2897
- #ThinkTrunk 2022年10月 東京横浜
- https://www.jtbbwt.com/business/trend/detail/id=2387
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