顧客満足度とは、顧客が商品を購入したりサービスの提供を受けたりした際に得られる満足感を数値化した指標です。企業が提供する製品やサービスが顧客の期待にどれだけ応えられているかを評価するもので、「CS(Customer Satisfaction)」とも呼ばれます。
この記事では、企業の営業やマーケティング担当者に対して、顧客満足度の重要性や向上で得られるメリット、従業員満足度との違い、調査方法、成功事例などを紹介します。また、記事の最後にお役立ち資料「CventConnect2023から学ぶ「オフラインイベントで顧客エンゲージメントを高めるポイント」(全4編)」を掲載しています。顧客対応に課題を感じている方はぜひご覧ください。

顧客満足度とは
顧客満足度は英語で「Customer Satisfaction」と呼ばれ、一般的に「CS」と略されます。顧客満足度(CS)とは、顧客が商品やサービスを利用した際に得られる満足度を数値化した指標です。ここでは、なぜ顧客満足度が重要なのか紹介します。
顧客満足度の重要性
近年、市場や顧客ニーズの変化により、企業にとって顧客満足度が重要視されています。顧客満足度は、自社の取り組みが顧客に受け入れられているかを測れる物差しでもあります。そのため、顧客ニーズを把握する意味でも、注目する企業が増加しています。
顧客満足度の向上で得られるメリット
顧客満足度を高めることは自社の成長につながります。ここでは、顧客満足度の向上で得られる4つのメリットを紹介します。
リピーターを増やすことができる
リピーターの獲得は、企業が売上げを安定させるために重要です。顧客にリピーターになってもらうためには、商品やサービスに満足してもらわなければなりません。顧客満足度を向上させることで、リピーターを増やすことにもつながります。リピーターの育成は新規顧客獲得よりもコストを抑えられるため、経営的にもメリットがあります。
ブランド力を強化できる
顧客満足度の向上によって、顧客の口コミや評判が広がり、企業が意図しない場所で宣伝効果が高まる可能性があります。口コミやシェアの増加は企業の知名度向上につながり、ブランド力を強化できる点もメリットです。また、社会的信用度の向上にも影響し、他社よりもサービスや商品を高額で提供しても、顧客に受け入れてもらえることもあります。
新規顧客を獲得できる
顧客満足度の向上はリピーターだけではなく、新規顧客の獲得にとっても重要です。高い満足度を抱く顧客によって紹介されることで、新規顧客が生まれやすくなります。また、顧客による口コミやSNSでのシェアは、広告以上の影響力を持つことが珍しくありません。
コストを削減できる
顧客満足度の向上により口コミや紹介が増え、リピーターや新規顧客を獲得できると、広告費の削減につながるといったメリットもあります。広告費でかかるはずの予算は商品開発などに回せるため、品質の向上につながり、さらに顧客満足度を高められます。企業の経営に好循環が生まれるため、コスト削減だけでなく利益向上にもつながります。
顧客満足度の4つの調査方法
顧客満足度を把握するには、調査が必要となります。ここでは、顧客満足度を調査する4つの方法を紹介します。
01インターネット調査
早期に着手できる方法として、インターネットによる調査という方法があります。インターネット調査では、Webサイトやオンラインショップの流入状況、検索キーワードの分析を行います。その結果、自社の商品やサービスに興味がある人の予測も可能となります。
02アンケート調査
アンケート調査は、顧客満足度の把握において主流な調査方法です。顧客の商品の事前期待が強く反映されるケースが多いため、ぜひ実施することをおすすめします。多くの回答を得るには、Web上で簡単に回答できるフォームを用意しておくことと効果的です。
03インタビュー調査
インタビュー調査は、以下の方法で顧客にダイレクトに質問を行います。
- 対面
- 電話
- オンライン
- メール
インタビュー調査は、個別のニーズを認識しやすく、口コミやレビューでは把握できない貴重な意見を得ることが可能です。
04データ収集・分析
事前期待を読み取るには、調査会社や行政の統計データを活用する方法があります。また、自社Webサイト上での顧客の行動データを分析することで、顧客の属性や購買データ、離脱ポイントなどの把握も可能となります。

顧客満足度の測定指標
ここでは、顧客満足度を測定する主な指標である「CSI」「JCSI」について紹介します。
CSI(Customer Satisfaction Index)
CSIは、顧客の購入前の期待と購入後の価値の差を測る顧客満足度調査の指標です。
- 顧客期待値
- 顧客不満度
- 顧客忠実度
- 知覚品質
- 知覚値
上記に関する5つの質問を行い、平均点を出します。十分なデータ量が必要になるため、政府機関や大企業向けの指標です。アメリカを中心に、世界30カ国以上で使用されています。
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
JCSIはCSIを日本向けにカスタマイズした、日本版の顧客満足度調査の指標です。CSIの5項目の質問に「推奨意向(他人に商品を勧めたいか)」を加えた6つの質問をして調査を行います。「購入後に顧客が感じた価値」から「購入前の期待値」を差し引くことで、数値を算出することができます。
顧客満足度を向上させる方法
上記から、顧客満足度の向上は、企業にとってさまざまなメリットがあることがわかりました。ここでは、顧客満足度を向上させる方法を紹介します。
商品・サービスの向上を心がける
顧客満足度を高めるためには、顧客情報の調査を怠らず、顧客ニーズや顧客の自社商品・サービスに対する評価を把握することが重要です。顧客情報の調査方法には、アンケートやインタビューなどがあります。否定的な意見にも耳を傾け、把握した情報を基に改善に力を入れることが大切です。
顧客対応の品質を上げる
顧客に満足してもらうには、顧客対応の質を向上させる必要があります。顧客対応では、顧客への気配りや配慮、問い合わせに対するスピーディーな対応など、顧客が快適に商品・サービスを利用できる様にサポートすることが重要視されます。また、どの従業員でも質の良い顧客対応ができるように、マニュアル化することも顧客対応の質の向上にとても効果的です。
従業員満足度を向上させる
顧客満足度の向上においては、顧客対応のスピード感や利便性などの顧客体験に関わることも重要な要素となります。 加えて、良質な顧客体験を提供するためには、従業員の気配りが必要不可欠です。そのことから、働く環境を整備したり、福利厚生を充実させたりなど、従業員の満足度を向上させることは、顧客満足度向上につながる重要な取り組みと言えます。
従業員の満足度が高ければ高いほど、従業員のエンゲージメントやモチベーション向上につながり、顧客に提供するサービスの質が良くなります。
顧客満足度向上の成功事例
ここでは、企業が実施した顧客満足度向上の成功事例を2つ紹介します。顧客満足度向上の施策に向けての参考にしてください。
01 消費者キャンペーンで商品の世界観を伝える! ハーゲンダッツ 35周年記念感謝キャンペーン
ハーゲンダッツ ジャパン株式会社様は、消費者との直接の接点が少ないといった課題を抱えていました。そこで、35周年記念感謝キャンペーンとして、ハーゲンダッツの世界観を出したツアーを実施しました。
具体的には、ハーゲンダッツの人気フレーバーであるバニラと抹茶といった2つの味に迫るツアーを企画しました。バニラ味では北海道の牧場にて乳しぼり&アイスクリーム作りを行い、抹茶味は京都の老舗お茶園を見学するなど、ハーゲンダッツの世界観を実際に体感できるツアーにしました。
参加者からは「来年以降もこのようなツアーを企画してほしい」との声があり、ハーゲンダッツへの愛着がさらに深まったと言えるツアーとなりました。
02 Coffee Lover's Tour アジア向け"ニューノーマル時代の新コーヒー講座"で
自宅のコーヒーを至福の一杯へ
UCCコーヒーアカデミー様は、インバウンド需要の早期囲い込みや、海外のお客様向けの販路拡大を目的に、アジアの親日家やコーヒー愛飲者を対象に、オンラインツアー「UCC x JTB x Buyee特別企画 ~Coffee Lover's Tour~」を展開するとともに、ギフトセットを越境ECにて販売しました。 ライブ中継でUCC直営のハワイ農園と日本のUCCコーヒー博物館を英語ガイドと共に配信し、ギフトセットの提供や自宅でプロの抽出技術が学べるワークショップを提供しました。
オンラインツアーに参加したお客様にコーヒーの魅力を伝えることができ、コミュニケーションの場を提供することに成功しました。また、越境ECの購入履歴により、過去にコーヒー関連商品を購入されたお客様へダイレクトメールを送付することで、ターゲットへのタッチポイントが創出できました。
まとめ
顧客満足度とは、顧客が商品やサービスを利用した際に得られる満足度を数値化した指標です。顧客満足度を向上させることで、リピーターや新規顧客の獲得、コスト削減などさまざまなメリットを得られます。顧客満足度を高めるには、自社の商品やサービスの魅力を理解してもらわなければなりません。そのためには、企業にて顧客満足度向上のための取り組みが求められます。
最後に、CventConnect2023から学ぶ「オフラインイベントで顧客エンゲージメントを高めるポイント」(全4編)を紹介します。世界最大級のイベントプラットフォーマーであるCvent社が開催した「CventConnect2023 Las Vegas」にJTB社員が参加し、オフラインイベントで参加者のエンゲージメントを高める秘訣を調査しました。ホワイトペーパー(お役立ち資料)のダウンロードができますので、ぜひご覧ください。