コロナ禍の収束はいまだ見えず、リアルでの社員旅行実施には、まだ時間がかかりそうな状況です。そこで本記事では、インターネット上で世界各地の旅気分を味わえるオンラインツアーの魅力やメリットをご紹介していきます。オンラインツアーはコロナ禍に対応した観光の新しい形の一つです。「社員同士のコミュニケーション機会が減っている」「社員のモチベーションを高めるイベントを企画したい」と考える経営陣や総務人事の皆さまは、ぜひ参考にしていただければと思います。
コロナ禍で注目度UP!オンラインツアーという新たな旅の形
アメリカの企業J.D. パワーが20~69歳の日本人2,000人を対象に実施した調査(※)によると、過去1年間に旅行をした割合は2020年の62%からコロナ禍の2021年は29%へと大幅に減少。新型コロナウイルスの感染拡大が、旅行需要に大打撃を与えただけでなく、出張や視察などビジネス目的の移動をも制限してしまっています。
このような状況の中、観光・旅行の分野でもデジタル化が進み、新たな旅の形として「オンラインツアー」が登場しました。大人数での移動をともなう海外視察や社員旅行の代替手段として、オンラインツアーが注目されています。
リモートワークや巣ごもりによる運動不足解消などを目的に、仕事以外においてもオンライン上のサービスがさまざまな場面で活用されるケースが増えてきています。トレーナーのレッスンをオンラインで受けられる法人向けフィットネスサービスも増えてきているように、企業の福利厚生も多様な働き方を想定したものへシフトしています。
オンラインツアーとは?
オンラインツアーとは、パソコンやスマートフォンを通して旅行に参加するもので、家や職場から楽しめるのが特長です。ここではオンラインツアーにおける3つの配信方法について解説していきます。
01ライブ映像配信
ライブ映像配信とは、リアルタイムにオンライン上で配信する方法のことです。いわゆる生放送です。視聴者に対して一斉にコンテンツを視聴してほしい場合や、視聴者に臨場感を感じてほしい場合に向いています。配信時にチャットツールを併用することで、ユーザーと双方向のコミュニケーションがとれる点は大きなメリットです。しかし、配信時間に視聴者が予定を合わせなければならない点やセッション数に応じてコストが上がる点、生放送ならではのトラブル発生などデメリットもあります。
02録画配信
視聴者に対して一斉にコンテンツを視聴してもらう点では、ライブ映像配信と同じですが、配信するコンテンツは事前に収録したものになります。事前に編集できる点が最大のメリットです。ライブ映像配信と組み合わせることで、双方向も実現しながら、安定した配信を行うことができます。
03オンデマンド映像配信
オンデマンド映像配信とは、事前に収録・編集をした映像データをオンライン上で公開し、視聴者の好きな時に見てもらう配信方法のことです。多くのコンテンツを自社で制作したい場合や、視聴者それぞれの都合に合わせてコンテンツを楽しんでほしい場合に向いています。ただし、視聴者によって視聴のタイミングが異なるため、視聴者全体の一体感を得たい場合には、あまり向いていないと言えます。
オンラインツアーは、海外旅行需要を満たせる手段?
オンラインツアー経験者に対し、「コロナ収束後にもオンラインツアーに参加するか?」アンケートを行った結果、6割以上が参加したいという結果になりました。
今すぐ自宅やオフィスから海外へ!気軽に参加できるオンラインツアー
団体向けのオンラインツアーは、その企業の実施目的や背景に合わせて、オーダーメイドでプログラムを組み立てることができます。企業向けには、コミュニケーション活性化に役立つ対戦型オンラインクイズ大会や、ツアー中に紹介された食事を提供するなど、実際に旅をしている気分を味わえるプログラムが好評です。
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団体向けオンラインツアー体験レポート「つながるワクワク体験 ~いつでも、誰でも、誰とでも~」新しい海外旅行のスタイル・新企画の形を提案
以下は個人向けのオンラインツアーですが、企業向けにアレンジすることもできます。
個人向けツアープラン ワイン好きにはたまらない!ドイツの極上ワインと街歩きを楽しめる観光ツアー
本ツアーはドイツの豊かな銘醸地ニアシュタインの魅力と、現地でワインを生産する浅野さんのワイン講話を楽しめるツアーです。ニアシュタインの街歩きでは、ワインには欠かせないブドウ畑も見学できます。さらに、事前に指定されたワインを購入することで、家にいながら現地の味を堪能することも可能です。
個人向けツアープラン ベテランガイドが案内するニュージーランド絶景巡り!バーチャル観光ツアー
本ツアーは、ニュージーランドの自然が織りなす絶景を楽しむためのツアーです。おしゃれな市内中心部の紹介はもちろん、質問コーナーをあらかじめ設けており、現地にいるガイドさんとコミュニケーションがとれます。しかも少人数制で開催されるツアーであるため、アットホームな雰囲気の中ツアーを楽しめるでしょう。
企業が実施するオンラインツアー事例
実際に企業がオンラインツアーを導入した事例を2つ紹介します。いずれも社内における課題の解決につながるようなツアーになっています。
01数時間でバンコクとシドニーへ!? オンラインならではの職場旅行
「コロナ禍でリアルな旅行は実施できないものの、中止にはしたくない」という企業の悩みを解決したのが本ツアーです。社員全員が楽しめるような工夫として、「食」を充実させることに重点を置きました。オリジナルのタイ料理弁当や、視聴中につまめるオーストラリアやタイのお菓子を用意したり、ランチの際には社内に関わるクイズ大会を行ったりするなど、社員全員が楽しめる企画を考えました。業務を忘れて旅行気分を味わうことで、コロナ禍の課題である「社員間のコミュニケーション」の活性化にもつながったと言えるでしょう。
02家族全員で楽しめる!自社の海外拠点の名所や文化を知ってほしい!
自社の拠点の一つとなったオーストラリアへの理解を深め、より身近に感じてもらうことが本ツアーの目的です。また、社員は家族と一緒に参加するため、「子どもでも楽しめるツアー」にする必要がありました。実際にメルボルンのベテランガイドに観光スポットを紹介してもらうほか、オンラインと体験を組み合わせた「みつろうエコラップオンライン手づくり体験」など、参加者全員が楽しめる企画を実施。現地拠点のことを自社社員に知ってもらえたうえ、家族も一緒に過ごせる貴重な時間を会社側が提供したことで、結果的に社員の会社への帰属意識が向上しました。また務めている会社のことをご家族にも知ってもらういい機会にもなりました。
まとめ
本記事では、自宅でも気軽に海外旅行を楽しめるオンラインツアーについてお届けしました。オンラインツアーはコロナ禍においても安心して参加できる点や、費用の面でも参加のハードルが低い点がメリットとして挙げられます。また、社員旅行でオンライン旅行を実施した場合、自宅からリラックスした状態で参加できるため、社員同士の交流を深めやすいのも魅力です。
オンラインツアーを実施すれば、参加者同士の共通体験がこれからの会話のきっかけになるかもしれません。社内のコミュニケーションだけでは気づかなかったメンバーの一面を知ることは、チームビルディングの一助となります。ぜひ、貴社でも海外へのオンラインツアーを活用した社内イベントを企画してみてはいかがでしょうか。