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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 ワークエンゲージメントを高めるには?取り組みから測定方法まで詳しく紹介

2025.03.28
HR(Human Resources)
生産性向上
従業員満足(ES)向上
人材・組織力強化

ワークエンゲージメントとは、仕事に積極的であり、充実した心理状態であるかを示す指標です。ワークエンゲージメントを高めることで、生産性の向上や従業員のストレス低下につながります。この記事では、ワークエンゲージメントを構成する概念、高める手法、測定方法などを紹介します。

 

ワークエンゲージメントとは

ワークエンゲージメントは、オランダにあるユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授によって提唱された概念です。直訳すると「仕事への愛着心」と表現されます。仕事に対してどれだけ前向きに取り組むことができ、充実した心理状態であるかを示す指標です。
日本では、個人のポジティブな感情や態度を表に出すよりも、集団の調和を大事にするほうが望ましいと考える風潮がありました。そのため、日本人は自己評価を控えめにする傾向があり、結果として海外の人と比較すると、ワークエンゲージメントのスコアが低めに出ることがあります。16か国を調査した結果、日本のワークエンゲージメントが最も低いことがわかりました。
ワークエンゲージメントは、年収に比例するわけではありません。厚生労働省の調査によると、39歳以下は年収の増加にともなってワークエンゲージメントが上昇する傾向にありますが、40歳以降は相関性がない結果となっています。

参考:ワーク・エンゲイジメント・スコアの国際比較|厚生労働省

参考:年収別にみたワーク・エンゲイジメント・スコア(活力・熱意・没頭)の概況|厚生労働省

出所:令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-|厚生労働省

ワークエンゲージメントを構成する3つの要素

ワークエンゲージメントは、以下の3つの要素で構成されていることが特徴です。

熱意(Dedication)

熱意とは、仕事に対して深い関心を抱き、情熱を持って取り組んでいる状態です。好奇心に溢れており、仕事の意味を見出して誇りを持って新たなことに挑戦することができます。

没頭(Absorption)

没頭とは、仕事に取り組んでいるときに幸福感が高まり、時間が過ぎるのが早く感じる状態です。仕事に没頭できていると精度やスピードも向上し、仕事を終えても高揚感が続きます。

活力(Vigor)

活力とは、仕事に対して高いエネルギーを持ち、困難な課題にも前向きに取り組む意欲と行動力がある状態です。仕事をすることで活力を感じるため、労働に対するストレスを感じづらくなります。

ワークエンゲージメントが注目される背景

ワークエンゲージメントが注目されるようになった背景には、労働人口の減少と人材の流動化があります。近年は、人口減少に伴い労働人口の減少が進んでいる状態です。終身雇用制度の崩壊、フリーランスの増加などにより、企業と労働者の関係は流動的になっています。
従業員のワークエンゲージメントを向上させ、優秀な人材を確保し続けることは、企業にとって重要な課題です。

ワークエンゲージメントを高めるメリット

企業が従業員のワークエンゲージメントを高めると、以下のようなメリットをもたらします。

生産性が向上する

ワークエンゲージメントが高い従業員は仕事への意欲が強く、パフォーマンスも高い状態です。熱意を持って仕事に取り組むため、さまざまなアイデアが生まれます。仕事への充実感が高まることで労働生産性も上がり、企業全体の生産性も向上します。

従業員の心理的ストレスを減らせる

ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事における心理的ストレスが少ない状態です。ワークエンゲージメントが高い従業員が多いことは、多くの従業員が心身の健康を維持されている状態なので、ストレスが少ない職場環境を作れます。心身の健康が満たされていると従業員の欠勤なども減る傾向にあります。

顧客満足度が向上する

ワークエンゲージメントが高い状態では、仕事におけるパフォーマンスも良好です。より質の高いサービスや商品を提供できるようになります。従業員の熱意やいきいきと働いている様子は顧客にも伝わるため、顧客満足度向上にもつながります。

離職率が低下する

ワークエンゲージメントを高めると、仕事でも幸福感を得られるようになり、組織への愛着度も高まります。より良い組織風土の構築ができるようになり、離職率の低下を目指すことも可能です。離職率が低下すると、長期的な育成計画も立てやすくなります。

ワークエンゲージメント向上に必要となる要素

ワークエンゲージメントを高めるには、従業員個人と本人以外から与えられる資源があります。

個人の資源

個人の資源とは、いわゆるポジティブ思考と呼ばれるような、物事を前向きに捉えられる心理的状態を生み出すための資質や特性です。物事を楽観的に捉えられる、ストレスを解消する方法がわかっている、モチベーションを上げられるなども個人の資源に該当します。

仕事の資源

仕事の資源とは、上司、先輩、後輩、顧客などの本人以外から与えられる刺激です。仕事の資源は、目標の達成や個人の成長などの動因になります。また、仕事の負担を減らし、サポート体制を整えることで、組織が協力する体制を築きやすくなり、ワークエンゲージメントを高められます。社会的な支援、正当な評価なども仕事の資源です。

ワークエンゲージメントを高めるための具体的な方法

企業が従業員のワークエンゲージメントを高めるためには、以下のような方法があります。

01ジョブ・クラフティングの研修を実施する

ジョブ・クラフティングとは、仕事におけるやりがいを高めるために、仕事に対する意識や行動、他者とのコミュニケーションを従業員自身に見直してもらう手法です。働き方や他者との関わりを工夫したり改善することで、ワークエンゲージメントの向上が期待できます。

02ディスカッションの場を設ける

従業員が悩みや課題について話し合える場を設けることも、ワークエンゲージメントの向上につながります。事前にアンケート調査を実施して内容をまとめておき、聞き上手な人を進行役に当てるなどの工夫も必要です。

03CREWプログラムを実施する

CREWとは、以下の4つの単語で構成された略称です。

  • Civility(礼節、丁寧さ)
  • Respect(敬意)
  • Engagement(エンゲージメント)
  • in the Workplace(職場)

CREWプログラムでは、従業員同士が設定されたテーマに基づいて対話を深めていきます。従業員同士が丁寧に敬意をもって接し、より働きやすい職場環境を作る目的で活用されるプログラムです。

04メンター制度を採り入れる

メンター制度とは、若手従業員を支援するために、年齢や勤続年数が近い従業員をサポート役として配置する仕組みです。直属の上司以外をメンターとすることで、客観的なアドバイスが得られるだけでなく、新たな人間関係の構築も期待できます。コミュニケーションの活性化にもつながるため、多くの企業で採用されている制度です。

05適切な人事評価制度を構築する

適切に評価されていないと従業員が不満を抱いている状態は、モチベーションの低下にもつながります。評価をする際は、成果だけでなく成果に至るプロセスにも注目することが重要です。従業員自身が正当に評価されていると実感できるようになると、ワークエンゲージメントの向上も期待できます。

ワークエンゲージメントの尺度と測定方法

ワークエンゲージメントの尺度を知るには、以下のような測定方法が有効です。

MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)

MBI-GS とは、Maslach Burnout Inventory-General Surveyの略称です。バーンアウト、いわゆる「燃え尽き症候群」を測定する方法で、MBI-GSの数値が低いほど、ワークエンゲージメントの数値が高いと言えます。

OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)

OLBIとは、Oldenburg Burnout Inventoryの略称で、MBI-GSと同じようにバーンアウトを測定する方法です。「疲弊感」「離脱感」の2点について、1(強く同意しない)から4(強く同意する)までの選択肢で回答してもらいます。
ネガティブな要素とポジティブな要素を持つ質問をバランスよく取り入れていることが特徴です。OLBIの数値が低いほど、ワークエンゲージメントの数値が高いと言えます。

UWES(Utrecht Work Engagement Scales)

UWESとは、Utrecht Work Engagement Scalesの略称です。ワークエンゲージメントを構成する要素「活力」「没頭」「熱意」に関する17個の質問に回答してもらいます。安定性が高いため、測定方法として最も活用されている方法です。


まとめ

従業員のワークエンゲージメントを高めると、従業員自身のモチベーションを高めるだけではなく、企業の生産性や顧客満足度の向上も期待できます。本記事では、ワークエンゲージメントの向上に必要な要素をはじめ、高めるための具体的な方法や測定方法などを紹介しました。ワークエンゲージメントの向上を目指している場合は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
最後に、お役立ち資料「従業員エンゲージメントを向上させるカギとは」を紹介します。近年はDXの浸透やSDGs達成への取り組みなどさまざまな変化が求められており、企業と従業員の関係も大きく変化しています。企業と従業員の双方向の結束力を高める従業員エンゲージメントは企業にとって重要です。
本資料では、従業員エンゲージメントの重要性をはじめ、組織力強化のポイントを紹介しているので、ぜひご覧ください。


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