コロナ禍の長期化により、テレワークが浸透した結果、社員と会社の距離が遠くなりました。その結果、社員コミュニケーションが希薄になったり、企業やチームの一員であるという意識が失われるといった課題を感じている企業が増えました。こうした課題を解決するために大切なのが、社内交流です。部署内の交流や職種での交流、経営層と現場の交流など社内交流にはさまざまなものがあります。今回は、長引くコロナ禍であっても無理なく行える社内交流イベントの導入事例について紹介します。ぜひ、貴社の社内コミュニケーションの活性化にお役立てください。
従業員が感じる社内コミュニケーションの課題
社員同士の交流を促進することは、仕事の質の向上や働きやすい職場づくりに役立ちます。テレワークをすることが当たり前になるこれからの時代、社員同士の交流を途絶えさせず、情報を共有しやすい土壌を作ることは企業の持続的な成長の大きなポイントです。
コロナ禍においてはオフィスに出社するということが少なくなりました。その結果、“企業や部署に所属している”という意識が希薄になりました。 HR総研による「社内コミュニケーション」に関するアンケート調査によると、社内コミュニケーションの現状について課題を感じている企業の割合は全体の8割近くと非常に高くなっています。一方で、課題を感じていないという企業はわずか9%。多くの企業が課題を抱えていることがわかります。
企業規模別 コミュニケーションを阻害している要因
利用の多い社内コミュニケーション手段
次に、コミュニケーションを阻害している要因(複数回答可)についてです。結果を見ると、半数近くの企業が「管理職のコミュニケーション力」を挙げています。次いで、社員のコミュニケーション力と組織風土・社風がどちらも40%となっています。環境やイベントの有無だけではなく、根本的な課題解決の必要性を感じている企業が多いと言えます。
一方、現在の社内のコミュニケーション手段(複数回答可)については、メールが最多の77%、次いで、対面72%、対面での会議・ミーティング66%となっています。 調査時点(2020年1月~2月)における社内のコミュニケーション手段の多くを対面に頼っていることから、コロナ禍の現在では、コミュニケーションがさらに取りづらい状況になっていると考えられます。
ところが、多くの企業が課題を抱えているにもかかわらず、実施している施策は「従業員アンケート」という現状把握に関するものが多くなっており、「新たに実施したい施策」については「ない」と答えた企業が4割にも上っています。問題があることはわかっていても、有効な対策を講じられていない企業が多いというのが現状です。
JTBでもコロナ禍による社員のコミュニケーション課題があり、テレワークにおけるデメリットをメリットにかえるため、社内コミュニ-ケーションの活性化を目的としたオンラインプログラムに取り組みました。自宅でも行えるチームビルディングをまとめていますのでこちらからぜひ見てみてください。
出典元:「部門間」と「経営層と社員」の関係に課題/HR総研:「社内コミュニケーション」に関するアンケート調査 結果報告‐HR総研
コロナ禍で毎年恒例の社員旅行が中止!代替案として何を実施している?
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、社員旅行や懇親会といった社内イベントの開催が難しくなりました。延期や中止にした企業がほとんどです。現在は、感染状況も少しずつ落ち着きを見せており、社員旅行などを計画する企業も現れています。しかし、未だ予断を許さない状況です。そこで、感染状況が悪化した際に実施できる社内交流イベントを3つご紹介します。
01オンライン旅行
インターネットの発達によって、“現地に行かなければ見られない風景”というのはどんどん少なくなってきています。ライブ中継やライブチャットを利用すれば、現地の様子を離れた場所にいる人とリアルタイムで共有することも十分可能です。
こうした機能を活用したイベントが、オンライン旅行です。現地の旅行会社等のインストラクターとライブ中継をすることで、観光地の風景や観光スポットをオンラインでめぐることができます。通常の旅行ではありえない複数の国をいっぺんに訪れるような旅行も可能です。
さらに、現地の特産品などをあらかじめ社員の自宅に送っておけば、土地の味覚を楽しみながらバーチャル宴会を行ったり、旅の記念になるお土産を手にしたりすることもできるでしょう。
02オンラインチームビルディング
オンライン会議は、この1年で急速に普及しています。このようなシステムを仕事だけでなく、イベントで活用するのもおすすめです。オンラインでできるゲームやワークショップなどを開催することで、社員同士の交流を深めたり、普段とは違う一面を見つけ合ったりすることができるでしょう。
なお、このようなオンラインイベントでは、チーム戦を行うことが多くあります。この時、役職や部署ごとではなく、年齢や所属、役職に関係のない混合チームを作るのがコツ。これによって、日頃あまり接したことのない社員とも交流が取れるようになります。
年齢や所属、役職といった壁を取り払い、協力し合いながらゲームを楽しんで新しい関係性を築けるメリットがあります。
03グランピング
グランピングは、コロナ禍の少し前から注目を集めているレジャースタイルの一つです。
大自然の中で行うキャンプは、新型コロナウイルス感染リスクが高いとされる「3密」を回避するのに有効です。もともとプライベート旅行で人気だったグランピングを社員旅行にも取り入れることで、リスクを軽減しつつ非日常なイベントや交流を楽しむことができるでしょう。
ただし、オンラインイベントに比べるとどうしてもある程度の接触が生まれてしまうため、感染状況や社員の意向なども確認したうえで、適切な感染症対策を行いながら実施する必要があります。
また、上記の3つだけではなく、社内交流を目的としたイベント事例をまとめた資料もありますので、興味のある方はこちらからご覧ください。
新しい生活様式に対応した社内コミュニケーション事例
新しい生活様式に対応した形で社内コミュニケーションを取っている企業も続々と登場しています。3つの事例を紹介します。
事例01オンライン海外旅行
毎年社員旅行を実施している福岡の不動産会社A社では、リアルな旅行ができないコロナ禍においても、新しい形で社内交流を取ろうとオンラインによる海外旅行を実施しました。しかも、行先はバンコクとシドニーという遠く離れた2カ所です。オンラインだからこそできる、新しい楽しみ方だといえるでしょう。
さらに、オリジナルのタイ料理弁当や、タイとオーストラリアのお菓子等も用意して、目だけでなく舌でも異国情緒を感じられる工夫をしました。ランチタイムにはオンラインレクリエーションも実施し、参加者全員が楽しめたということです。
【事例紹介】
事例02オンライン謎解きチームビルディングイベント
IT企業のB社は、2020年に新入社員研修の一環としてWeb会議システムを使ったオンライン謎解きチームビルディングイベントを開催。従来とは異なり、新入社員研修もオンラインで行うことになったY社では、新入社員同士のつながりが希薄になってしまうことを懸念していました。そこで企画したのが、オンライン謎解きチームビルディングイベントです。
4人1組のチームが一丸となって協力する仕組みが、新入社員同士のコミュニケーションを深めるとともに、管理職側も新入社員の素顔や特性をより知ることができるというメリットがありました。
【関連情報】WEBマガジン「#Think Trunk」
事例03グランピング
自社メディアの運営も行っている広告代理店 株式会社マイト様では、コロナ禍(※1)における社員旅行として、1泊2日のグランピングを実施しました。4人~6人が定員の施設を約半数の人数で使用し、ゆったりとした空間を確保することで「3密」を回避。貸し切りエリアも活用し、社員以外の客と接触しないように対策を取りました。
旅行中のイベントも、チーム対抗の料理大会やキャンプファイヤーなど、コロナ禍でもできる屋外レジャーを中心に開催し、安全性に配慮した社員旅行を行うことができました。
- 緊急事態宣言前に実施されました
【事例紹介】
また、上記の3つだけではなく、社内交流を目的としたイベント事例をまとめた資料もありますので、興味のある方はこちらからご覧ください。
まとめ
今回は、コロナ禍における社内コミュニケーションについてお届けしました。対面でのやり取りや交流が難しいコロナ禍においては、特に会社側が意識的に社内コミュニケーションを活性化させることが大切です。業務の円滑化や社員のモチベーションアップに役立つ取り組みを検討しましょう。
とはいえ、社員旅行や対面式のイベントといった、これまで通りの方法で交流を図るのは困難です。安全に配慮したうえで、社員のニーズに応える満足度の高いイベントを企画するためには、コロナ禍におけるイベント企画のノウハウや企画力を持ったパートナー会社へ相談してみるのがおすすめです。