2021年11月、富士通Japan株式会社様は、沖縄の自治体や企業と連携し、ワーケーション企画を実施しました。新型コロナウイルスの流行により大打撃を受けた沖縄。地域貢献として、その関係人口を増やすべく、まずは社内で県外社員の沖縄ファンを増やすことを目指し、ワークショップやワーケーションを実施。その先に目指す、様々な地域課題解決や、地域との事業共創につながる、確かな第一歩となりました。
- 背景
-
富士通グループのパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」ための中核会社として、2020年10月に発足した富士通Japan株式会社様。自治体、医療・教育機関、および民需分野のソリューション・SI、パッケージの開発から運用までの一貫したサービス提供。そしてAIやクラウドサービス、ローカル5Gなどを活用したDXビジネスの推進を事業とされています。
富士通グループ様全体としては、2021年10月に「Work Life Shift 2.0」を発表。その中の1つである【ワーケーション】については、活発な活用を目指し、社内制度の整備をしています。また様々な地方自治体と「富士通ワーケーションパートナーシップ」を結び、各地域コミュニティとの協働によるワーケーションプランを企画、地域課題をテーマとしたワークショップなどを展開しています。
2021年には、富士通Japan株式会社様は内閣府沖縄総合事務局様とワーケーション連携協定を締結しました。
- 課題
-
「地域におけるDX推進」をミッションの1つとする富士通Japan株式会社様は、大都市以外の各地域に共通する課題として、「中小企業を中心にDX対応の遅れがあること」と、「専門職次世代人材採用が困難であること」を感じられていました。
そして富士通Japan株式会社の前身の1つである、株式会社富士通システムエンジニアリングがあった(当時)沖縄では、新型コロナウイルスの流行により観光業をはじめとする様々な産業が大きな打撃を受けていました。
- 実施目的
-
「当社が根ざしている地域(=沖縄)のために、社として何かしたい」という想いから、また同時に内閣府沖縄総合事務局様とワーケーション連携協定を締結したことから、富士通Japan株式会社様の沖縄地区メンバー(SEと営業からなる、部署が異なるメンバー)6名が中心となり、ワーケーションの企画・運営を実施しました。
目的は以下の3つです。
01従業員向け:沖縄を富士通グループ社員の第2の故郷にし、関係人口増加の第一歩へ
沖縄の関係人口を増やすために、まずは県外社員における「沖縄ファン」を増やす。そのためにワーケーションや地域課題解決に関わるプログラムを通して「貴重な体験」「自身のスキルを活かした地域貢献」を提供。
02地域向け:自治体・企業の課題解決に貢献
人口減少などの地域課題を抱える沖縄県内の自治体・企業には、その方々と富士通社員をつなぐマッチングプラットフォームおよび「デジタル化の前進」「事業アイデアの広がり」「都心の消費者の声」などを提供し、課題解決に貢献。
03自治体や企業とのディスカッションを通じ新たな事業を共創
沖縄県内の自治体・企業と富士通社員をつなぐ機会が、新たな事業共創につながることを目指す。
- 実施内容
-
2つの自治体や地域企業と連携し、大きくわけて下記3種類の企画を実施しました。
実施期間は、2021年11月13日~28日の「ワーケーションウィークオキナワ(Workcation Week Okinawa:WWO)」に合わせました。沖縄をワーケーションで盛り上げようという気運の高まる中における相乗効果・波及効果を期待しました。
01読谷村ゆたさむらビジョンをリデザインするワークショップ
- 実施日
- 2021年11月16日(火)14:00~17:30
- 場所
- 交流型コワーキングオフィスhowlive(ハウリブ) 読谷残波岬店
- 参加者
- 読谷村職員12名様、マッシグラ沖縄タイムス1名様、沖縄総合事務局2名様、県内社員2名様、県外社員6名様
計23名様(県内17名様+県外6名様)が約5名様×5チームとなって参加 - 内容
- 読谷村と連携して実施したワークショップ。村が将来的な人口減少を見据えて現在策定を進めている「第2期村ゆたさむら推進計画」を題材に、参加者が計画内容や村の描く将来像をどのように発信できるか意見交換。
02企業を使い倒せ!ワーケーションから 生まれる地域の価値を考えるワークショップ
- 実施日
- 2021年11月24日(水)13:30~17:30
- 場所
- 宮古島 ICT 交流センター(現地見学自由としてWWO内で公開)
- 参加者
- 宮古島市職員5名様、宮古島商工会議所7名様、トビライズ1名様、株式会社AnyWhere1名様、マッシグラ沖縄タイムス1名様、合同会社tabinova1名様、社員10名様
計26名様 - 内容
- 地域の課題を抽出し、そこに対して、ワーケーションを通じて当社が&自身ができることはなにか?をテーマに、話し合うワークショップ
032つのワークショップ前後における、社員の「ワーケーションin沖縄」
- 期間
- 2021年11月13日~21日 ※参加者により異なる
- 主な活動
-
- 朝のヨガ&マインドフルネス講座への参加
(浜辺で1時間、専門の講師による指導。ヨガは心者でもできる簡単なストレッチをメインに、いくつかのポーズを体験。マインドフルネス:1日目瞑想/2日目ポジティブマインドフルネス/3日目はネガティブマインドフルネスを実施。) - 地元メディアを通じた発信活動への協力
- 休暇時間に自費にてフィールドワークやアクティビティ体験
- 朝のヨガ&マインドフルネス講座への参加
- 導入効果
-
主催者 富士通Japan株式会社 沖縄地区メンバー 小橋川様より
01従業員向け:沖縄を富士通グループ社員の第2の故郷にし、関係人口増加の第一歩へ
参加した県外社員からは「地域の良さを知り、印象が変わった。」という声がありました。また得られた気づきとしては自身のスキルから地域に関しての考察まで、多種多様な気づきが多くあがりました。
「沖縄でのワーケーションは心が洗われるようでリフレッシュできた。」という声や、実施後、沖縄で知り合った方々を気にかける県外社員の様子等から、「沖縄を好きになってもらう」という点において、確かな第一歩となったと感じました。また期間中、運営の沖縄地区メンバーと参加者は多くの時間を共有したため、その後の業務におけるコラボレーションに発展するなど、社内連携強化にもつながりました。
02地域向け:自治体・企業の課題解決に貢献
地域の方々には、地域の中だけでは出会うことのできない、スキルや最新技術、個性との出会いを提供できたと感じています。「今回のような取り組みは、地域にとって意義のあることだと強く感じました。」というお声や、「参加された社員の皆さんがとても活き活きしている印象を受けました。」というお声もいただきました。
03自治体や企業とのディスカッションを通じ新たな事業を共創
ワークショップで地域のビジョン実現や課題解決アイデアを抽出できました。事業共創に向けた第一歩となる取り組みとなりました。
今回の富士通Japan様の取り組みについて、JTB沖縄では、ヨガやマインドフルネスの手配等を担当させていただきました。また今回、JTB沖縄の沖縄ワーケーション定額会員制サービス「Re:sort@OKINAWA」の法人権利シェアパスをご活用いただきました。
具体的には、読谷村および宮古島の滞在期間中のコワーキングスペース利用と宮古行離島便、モニターツアー終了後に延泊された方のコワーキングスペース利用等です。「沖縄に来て、アイラインドホッピングもできて嬉しい!」と皆さん滞在を楽しまれていたそうです。
今回のワーケーションでは、社内他部署や地域との新しい繋がりの創出のみならず、参加者様が自分自身と向き合う時間も創出され、自己成長へ向けての意欲が高まったと伺いました。このような効果をもたらす沖縄ワーケーション。多くの企業様にぜひご体験いただきたいと思っております。